この記事では、「挙動」と「動作」の違いを分かりやすく説明していきます。
「挙動」とは?
日常の体の動きという意味です。
「挙」という漢字には、ふるまい、身のこなしという意味が、「動」という漢字にはふるまう、ふるまい、働きという意味があります。
この言葉が指す動きとは日常のものです。
たとえば、立つ、座る、食事をする、歩くなどのことです。
好きな人を前にすると、動きがおかしくなる人がいます。
普段は、人の顔を見て話すことができるのに、好きな人を前にすると目をきょろきょろと動かしてしまう、やたらと髪を触るなど、普段とは違った行動をしてしまうのです。
このことを「挙動不審」といいます。
日常の動きのことなので、野球の練習でバットを振る、水泳をしていて手足を動かすなどの動きのことではありません。
「挙動」の使い方
日常の動きを指して使用する言葉です。
「不審」「おかしい」などの言葉とともに使用されることが少なくありません。
スポーツの動きなど日常の動作でないものには使用しません。
「動作」とは?
「動作」には2つの意味があります。
ひとつは、体を動かすことです。
日常の動き、仕事のときの体の動き、運動をするときの動きなど、さまざまな動きを指しています。
食事が終わった後の片付けのことで考えてみます。
食事が終わったら、使用をした食器を流しまで運び、テーブルの上を布巾で拭きます。
このときに、食器を手に持つ、歩いて流しまで行く、布巾を手にしてテーブルの上に滑らせるなどの動きをします。
これらの動きのことを「動作」といいます。
犬や猫を飼育している人は、動物の体を触って、手を左右に動かすことがあるでしょう。
これは「なでる動作」といいます。
人間の体の動きだけでなく、動物の体の動きのことも指しています。
犬が足を動かす、鳥がエサを口にするなどの動きも、この言葉が指すものにあてはまります。
もう一つの意味は、機械類が働くことです。
たとえば、電動ノコギリの刃が前後に動くなどをいいます。
「動作」の使い方
人間や動物の体の動きのことや、機械類が働くことを指して使用をします。
人間や動物の体の動きについては、日常の動きやスポーツの動きなど、さまざまなものを指します。
「挙動」と「動作」の違い
動きという点では意味が似ていますが、どのような動きを指しているのかが違います。
前者は日常の動きのことです。
後者は日常の動きだけでなく、運動の動きなども指します。
「挙動」の例文
・『挙動がおかしい』
・『挙動が変だ』
・『挙動不審』
・『挙動が怪しい』
「動作」の例文
・『動作がきびきびとしている』
・『動作がぎこちない』
・『小刻みな動作』
・『のろのろとした動作』
まとめ
2つの言葉は動きという意味合いを持っている点が似ていますが、どのような動きなのかが異なります。
一方は日常の動き、もう一方は日常の動きだけでなく、運動の動きや機械類の働きのことを指しています。