この記事では、「持論」と「自論」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
意外にややこしい言葉ではありますので、そのややこしい部分をこの記事で解消していきます。
「持論」の意味
最初に「持論」(じろん)の意味をご説明致します。
「持論」とは、昔から主張してきた自分の意見になります。
この主張してきたという部分が、後々ポイントとなるのです。
「持論」の使い方
次に「持論」の使い方を解説していきます。
「持論」を使うときは、自分がこれまで主張してきた意見を表すときに使っていくものとなります。
それでは使い方を見てみます。
「彼の持論は、もっとIT化を急ごうという意見です」
「航空機優先の持論は、正しかった」
「持論」を使った例文
続きましては「持論」を使った例文を書いていきます。
・『持論を頑なに押し通す人だ』
・『古参の社員の持論は古いのだ』
・『独特の持論を展開し、人気を得た人です』
・『海軍の持論は南方作戦だが、陸軍の主張は中国大陸を制圧することらしい』
・『それぞれの持論を主張してもらいたい』
「持論」の類語
「持論」の類語を取り上げます。
「持論」の類語は、「主張」(しゅちょう)や「見解」(けんかい)、「言い分」です。
意味は、自分や自分サイドの意見を強く推すことや、物の評価などを指します。
「持論」の対義語
それでは「持論」の対義語を解説していきます。
「持論」の対義語は、「世論」になります。
意味は、世の中の意見や、大勢がそれでよしとしていることです。
「自論」の意味
ここでは「自論」(じろん)の意味をご説明致します。
「自論」とは、「持論」と同じです。
しかしながら、「持論」は主張するのですが、「自論」の場合は、自分の考えなどを心の中に閉まっておく、シチュエーションが多いのです。
基本的に「自論」は、造語的要素が、まだ強いので辞書を引いてみても見つけることは不可能でした。
「自論」の使い方
次の項目においては「自論」の使い方を取り上げてみましょう。
「自論」を使うときは、自分の考えを持つときや、考えを控えめに表現したり、心の中に閉まっておくときに使います。
それでは使い方を書いていきます。
「自論としては景気を良くしたいが、他の議員は保身ばかりだ」
「自論は、スーツはスリーピースで着用することが当然だと思っている」
「自論」を使った例文
続いては「自論」を使った例文を書きます。
・『自論をしっかり持っているのに、主張できる機会がなくて、ヤキモキしている』
・『自論として金が全てだ』
・『先生の自論を押し付けるようなことはしないと言ってくれた』
・『自論は一夫多妻制でいいと思うが、現在の日本の法律では不可能です』
・『彼の自論は従業員を大切にして、利益を確保する会社を作りたいと言っていた』
「自論」の類語
それでは「自論」の類語を見てみます。
「自論」の類語は、「述べる」(のべる)や「考えを明らかにする」、「考えている」です。
意味としては、自分の意見などを述べるなどですが、先ず考えや意見を持つことの意味合いも含まれております。
「自論」の対義語
この項目においては、「自論」の対義語を説明します。
「自論」の対義語は、リサーチの結果、見つけることはできませんでした。
強いて対義語を作るとするならば、「自論」の意味から考察する必要があります。
先ず「自論」は自分の意見や考えになりますので、「他者の意見」が対義語としては成り立つでしょう。
意味は、自分以外の人間の考えや意見を指しているのです。
「持論」と「自論」の違い
ここでは「持論」と「自論」の違いをご説明致します。
「持論」の方は、自分が昔から主張してきた考えや意見を指します。
「自論」も同じではあるのですが、こちらは自分の心の中に閉まっておいたり、心で考えているときなどに使うものです。
また、控えめに主張するときも用いることがあります。
「持論」と「自論」の使い方の違い
続いて「持論」と「自論」の使い方の違いを解説しましょう。
「持論」を使うときは、自分が前から主張していた意見などを伝えるときに使います。
また、「自論」も同様の意味はあるのですが、心の中で考えたり、控えめに伝える際に使うのです。
それぞれの使い方を見てみます。
前者の使い方
「戦艦優先持論を打ち砕き、機動部隊優先持論を支持すると言ってくれた」
「持論をいつも展開し、貫いている姿勢は凄いと思う」
後者の使い方
「自論と世論は違う」
「自論では明確に決まっているが、会社の意向は、どうもそうではないらしい」
以上のような使い方ができます。
「持論」と「自論」の英語表記の違い
最後に「持論」と「自論」の英語表記の違いを取り上げていきます。
「持論」を英語表記にすると、“Possession theory”となります。
「自論」を英語にしますと、“Self-discussion”です。
それぞれの例文も書きます。
前者の例文
“He is a businessman who shocked me to shatter my business theory. 」(彼は私のビジネス持論を、見事に打ち砕くほどの衝撃をくれた実業家だ)
“In order to develop our theory, we will need materials that will convince everyone. ”(持論を展開するには、皆を納得させる材料が必要になってくるだろう)
後者の例文
“In social life, self-discussion does not work”(社会生活では、自論が通用しない)
“I persuaded myself, but on the contrary I got angry. ”(自論を持って説得にあたるが、逆に怒らせてしまった)
文法的に、“myself”を使用しています。
まとめ
まとめとして、「持論」とは、自分があたためてきた意見や考えなどを主張することにあたります。
また、「自論」の方も殆んど同じです。
しかし、「自論」は控えめに表現するときや、心で思っていることを表現するときに使うことが多くあります。
また、後者は造語的要素がまだまだ強いといった一面があるのです。