この記事では、「順番」と「順序」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「順番」と「順序」の違い
「順番」とは、順序に従った並び方、順序に従って物事を行うことです。
「順序」とは、ある一定の基準に従った並び方、順番、物事を行う手順という意味があります。
2つの言葉が意味しているものはほぼ同じです。
「順番」の意味の中に「順序」が含まれており、「順序」の意味の中に「順番」が含まれています。
しかし、厳密にいうとやや意味合いが違います。
「順序」の場合は、一定の基準に従った並び方の個々のものを指しているというよりも、全体を一つの秩序としてみています。
一方「順番」の場合は、全体としての一つの秩序というよりも、代わる代わる事にあたるという意味合いがあります。
「順番」と「順序」の使い方の違い
同じような意味を持っているので、同じような使われ方をしています。
しかし、同じように使えないこともあります。
たとえば、「順序よく話してください」とはいいますが、「順番よく話してください」とはいいません。
この場合は「物事の順番通りに話してください」などとするのが適切です。
また、列に並んでいるときに「順番がやってきた」とはいいますが、「順序がやってきた」とはいいません。
「順序」の場合は全体を一つの秩序と考えて使われており、「順番」の場合はそれぞれの物事が代わる代わるといった意味で使われています。
「順番」と「順序」の英語表記の違い
「順番」は英語で“order”や“turn”と表現をします。
「順序は英語で“order”や“procedure”と表現をします。
「順番」の意味
「順番」には、一定の基準に従った並び方や手順に従い、代わる代わる事にあたることという意味があります。
人気のドーナツショップの例で考えてみます。
人気のドーナツショップでドーナツを購入するためには、長い列に並ばなければなりません。
一人ずつ商品を購入し、やっと自分が購入する番になりました。
このことを「自分の順番になった」ということができます。
「順番」は代わる代わる事にあたるという意味があり、列に並んでいる例でいうと、長い列全体を指しているというよりも、個々の人が代わる代わる購入していくことを指しています。
回転寿司屋に行ったらこの「順番」で食べると決めている人もいることでしょう。
最初はエビ、次はハマチ、次は中トロ、最後に好きなサーモンなどです。
「好きなネタを順番に食べる」といった場合、「順番」が指しているのは、一定の基準に従った手順で次々に食べるといった意味になります。
「順番」の使い方
一定の基準に従った並び方で、次々に事にあたることに使用をします。
長い列に並んで商品を購入する場合でいうと、列の並びには早い者勝ちなど一定の基準があります。
そして、その並びに従って商品を購入していきます。
購入するのは、一定の基準に従って次々に行われていきます。
「順番」を使った例文
・『ファンと順番に握手をする』
・『順番通りに雑誌の付録を組み立てる』
・『前夜から順番待ちの列に並ぶ』
・『オールインワン化粧品なら肌につける順番を気にしなくていい』
「順番」の類語
「順序」が類語です。
「順番」の対義語
「順番」が守られているときは、秩序が保たれているといえます。
対義語は秩序が保たれていないという意味の言葉である「無秩序」になります。
「順序」の意味
「順序」には、ある基準に従った並び方、物事をする手順という意味があります。
野菜の入ったソース焼きそばを作るときのことで考えてみます。
最初に野菜を洗って切っておきます。
次に、フライパンにサラダ油を広げて熱し、火が通りにくい野菜からフライパンに入れて炒めていきます。
野菜に火が通ったら、野菜をフライパンから取り出し、同じフライパンで中華麺と水少量を熱して炒めます。
中華麺がほぐれて火が通ったら、野菜をフライパンに戻して混ぜ合わせ、ソースを加えて全体に味を行きわたらせます。
そして、皿に盛りつけます。
野菜をフライパンに入れてからサラダ油を入れる、野菜を炒めているときにソースを入れてしまうなどすると、うまくソース焼きそばを作ることができません。
おいしいソース焼きそばを作るには作る手順があり、このような並び方や手順のことを「順序」といいます。
「順序」の使い方
一定の基準に従った並び方、手順のことを指して「順序」といいます。
次々に事にあたるというよりも、全体を一つの秩序として見た場合に使用します。
「順序」を使った例文
・『順序が違う』
・『順序立てて話しをする』
・『順序を守らないと作れない』
・『順序がわからなくなった』
「順序」の類語
「順番」が類語です。
「順序」の対義語
「無秩序」が対義語です。
まとめ
2つの言葉はほぼ同じ意味を持っており、同じような使われ方をしています。