皆さんは「従来」「往来」「従前」という3つの言葉を目にした時にどのような意味を持っているかお分かりになるでしょうか?パッと見ると似たような漢字が使われているので、混同しそうになってしまいます。
そこでこの記事では、「従来」と「往来」と「従前」の違いを分かりやすく説明していきます。
「従来」とは?
「じゅうらい」という読み方になる「従来」は「以前より」「元より」「前から今まで」「これまで」「物事のよって来るところ」「いわれ」「由来」「来歴」などの意味を持つ言葉です。
「従来」の例文
「従来」の例文は以下の通りです。
・『従来通りの内容で契約を進めましょう』
・『環境は従来の状況とは大きく変わっているよ』
上記の例文を見ると「以前から現在まで」というニュアンスが含まれていることが分かります。
「往来」とは?
「往来」は「おうらい」という読み方をします。
意味としては、「行ったり来たりすること」や「道路」「通り」などを指しています。
「往来」の例文
「往来」の例文では次のような文章が挙げられます。
・『このルートは自動車の往来が激しくて危険だよ』
・『往来に停車するけど仕方ないね』
「従前」とは
「じゅうぜん」と読む「従前」は。
「今よりも前」「まえかた」「今まで」「以前」などの意味を持っている言葉です。
「従前」の例文
「従前」の例文は次のようなものになります。
・『従前の方式で行うことにいたします』
・『従前よりこの計画を進めてきました』
「従来」と「往来」と「従前」の違い
ここで「従来」と「往来」と「従前」の違いを考えて見ましょう。
「従来」は「以前から今まで」という意味があり「以前から現在まで」「今まで」「その時まで」といったことを表現する言葉です。
「従前」は「今よりも前」という意味を持っていますが、「従前」が指していることは主に「過去のこと、もしくは現在より前のこと」を表しているのです。
簡単に言うと「今までのこと」と言い換えることができます。
このことから「従来」は「過去から今までのこと」を指すことに対して、「従前」は「今よりも過去のこと」という理解になるのです。
「往来」はいくつもの解釈があります。
「行ったり来たりすること」「人や乗り物などが行き来する場所」「互いに行ったり来たりすること(=交際)」「考えや感情が心中に現れたり消えたりすること」、「手紙や書面でのやりとり」などを意味していますが、「従来」「従前」とは明らかに違います。
まとめ
「従来」と「往来」と「従前」の意味や違いを見てきましたが、見た目の文字構成が似ているために、意味を似通っているように思ってしまうことでしょう。
「従来」と「従前」の意味は微妙に近い解釈がありますが、「往来」は意味が異なっています。
このことから、似たような漢字が使われている言葉を目にした時はどのようなことを言っているのか、言葉の意味をしっかりと読み解く必要があるでしょう。