合縁奇縁と一期一会は、似た意味を持つ四字熟語です。
一期一会の方が使われることが多いかもしれません。
合縁奇縁と一期一会の違いについて紹介します。
合縁奇縁とは?
人と人との相性は、不思議な因縁によって決まっているということを合縁奇縁といいます。
「合縁」は、縁が合って気心が合うといった意味で使われる熟語です。
「奇縁」には、不思議な縁という意味があります。
合縁奇縁は江戸時代から使われていたとされ、元々は仏教用語の愛縁機縁から来ているといわれています。
ただし、その由来ははっきりとは分かっていません。
人間関係を表す時に用いられる言葉で、ビジネスシーン等で使われることもあります。
合縁奇縁の使い方
合縁奇縁は、人との相性が良い時にも悪い時にも使われます。
例えば、大恋愛の末に結婚した夫婦を合縁奇縁によって結ばれたと表現することもありますし、顔を合わせると喧嘩ばかりしている二人を合縁奇縁があると表現することもあります。
相性が良くないのも因縁によって決まっていることなので、仕方ないとする考え方をしています。
一期一会とは?
一期一会は、人と人との出会いは一生に一度きりしかない大切なものという意味を持つ四字熟語です。
「一期」は一生を表す熟語で、「一会」には一度の出会いという意味があります。
元々は茶道で使われる言葉でした。
千利休の弟子である山上宗二が、山上宗二記という著書に一期一会を記しています。
山上宗二は堺の豪商で、千利休に茶の湯を20年学んだといわれます。
茶匠として豊臣秀吉や前田利家に仕えました。
一期一会は千利休の言葉のようですが、千利休自身はそれを書き記してはいません。
山上宗二記は、当時の茶道の歴史を知る上で貴重な資料となっています。
一期一会の「一期」は、元々は仏教用語でした。
人が生まれてから死ぬまでの間を表す言葉だったとされます。
一期一会の使い方
茶道において一期一会は、茶会は一生に一度のものと心得て誠意を尽くさなければならないという心構えを諭す場合に使われました。
現在では人との出会いは一期一会など、一生に一度の機会そのものを指して使われることも多いです。
また、人との出会いや体験を一生に一度のものと考え、大切にしようという意味で使われます。
合縁奇縁と一期一会の違い
合縁奇縁も一期一会も語源は仏教用語にあるといわれていわれています。
合縁奇縁が人との相性が良くない場合にも使われるのに対して、一期一会は人との出会いを一生に一度しかない程大切なものと前向きに捉えているところに違いがあります。
また、一期一会は出会いを大事にしましょうという行動を促す言葉なのに対し、合縁奇縁は因縁によって決まっていることだから仕方がないと現状を受け入れる言葉になっているのも違います。
まとめ
合縁奇縁には人との相性は因縁によって決まっているという意味があり、一期一会には人との出会いは一生に一度の大切なものという意味があります。