この記事では、「確保」と「獲得」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「確保」と「獲得」の違い
「確保」とは、確実に手に入れること、失わないようにしっかりと保つことです。
「獲得」とは、努力によって手に入れることです。
どちらの言葉にも手に入れるという意味が含まれていますが、まったく同じ意味なのではありません。
「確保」の場合は、たしかに手に入れること、手に入れたものを失わないようにしっかり持つことです。
たとえば、少年野球の練習のためにグラウンドが必要で、その場所を手に入れたとします。
手に入れたものが安易に他の人の手に渡ってしまったり、失われたりすることはありません。
しっかり持っているといえます。
こういったしっかりと手に入れることが「確保」です。
「獲得」の場合も手に入れることなのですが、努力によって手に入れることをいいます。
人からもらって簡単に手に入ったといったものではありません。
また、「確保」とは違い、手に入れたものを失わないようにするという意味は含まれていません。
「確保」と「獲得」の使い方の違い
確実に手に入れることについて「確保」を使用します。
努力によって手に入れることについて「獲得」を使用します。
「確保」と「獲得」の英語表記の違い
「確保」は英語で“secure”と表現をします。
「獲得」は英語で“acquisition”と表現をします。
「確保」の意味
「確保」には、確実に手に入れる、失わないようにしっかりと保つという意味があります。
新幹線を使って旅行に行こうと考えました。
新幹線には自由席と指定席がありますが、指定席を使うことにしました。
指定席は、予約をしておけば確実に手に入れることができ、他の人に取られてしまうということはありません。
確かに手に入れており、こういったことを「確保」といいます。
座席はものですが、「確保」は物以外のこともいいます。
たとえば「安全の確保」といった言い方ができます。
安全がしっかり保たれている、危険な状態になるようなことはない、といった意味になります。
「確保」は、単に自分のものとして手に入れることではなく、「確実に」「しっかり保つ」という意味が含まれています。
そのため、人から借りているものについて、たとえば図書館から本を借りるなどは、「確保」とはいいません。
「確保」の使い方
確実に手に入れることについて使用をします。
物についても、物以外のことについても使用できる言葉です。
物については、「ワクチンを確保する」のような使い方ができます。
この場合、手に入れたワクチンが他のものに渡ってしまうようなことはない意味が含まれています。
物以外については、「自由の確保」「安全の確保」のような使い方ができます。
「確保」を使った例文
・『ペットの安全を確保する』
・『読書をするための時間を確保する』
・『7時間以上の睡眠を確保するように努力する』
・『電車に乗ったらすぐに座席を確保しようとする』
「確保」の類語
「保持」「維持」が類語です。
「保持」には持ち続けるという意味があり、「維持」にはそのままの状態を保つという意味があります。
「確保」の対義語
「損失」が対義語です。
失うという意味があります。
「獲得」の意味
「獲得」とは、努力をして手に入れることです。
簡単には手に入らないものを、力を尽くして励んで手に入れることをいいます。
オリンピックに出場するためには、代表選手に選ばれる必要があり、代表選手を選ぶための試合でよい成績を出す必要があります。
これだけでも努力が必要です。
そして、オリンピックには各国から選ばれた選手が集まっており、その中でメダルをとることはさらに努力が必要です。
オリンピックのメダルは、簡単には手に入らないものです。
そのメダルを手に入れることができれば「獲得」したといいます。
「獲得」の使い方
簡単には手に入らないものを、努力によって手に入れることについて使用します。
努力という意味が含まれている点が重要です。
簡単に手に入ってしまうものは、手に入れるための努力は必要ありません。
そのため、簡単に手に入ることには使用しない言葉です。
メダルのような物質にも、信頼のような非物質にも使用できます。
「獲得」を使った例文
・『試合への出場権を獲得する』
・『有力な選手の獲得を目指す』
・『タイトルを獲得した』
・『得点を獲得する』
「獲得」の類語
「取得」「入手」が類語です。
「取得」には、資格、権利、物品などを手に入れるという意味があります。
「入手」とは、手に入ること、手に入れることです。
「獲得」の対義語
「喪失」「損失」が対義語です。
「喪失」には、失うことという意味があります。
まとめ
どちらの言葉にも手に入れるという意味が含まれていますが、「確保」は確実に手に入れること、「獲得」は努力して手に入れることで、意味が違います。