この記事では、「あの時」と「その時」と「その際」の違いを分かりやすく説明していきます。
よく似ている表現を、見極めていきましょう。
「あの時」とは?
「あの時」とは、かなり前のこと。
「当時は」にあたる言い方です。
現在から見た、ある時点のこと。
当時の状況をつたえる表現です。
昨日やおとといではない、隔たりのある昔を指しています。
そもそも「あの時」の「あの」とは、遠くの山や遠くの雲など、自分と距離がある物を伝える言葉です。
そのため「あの時」も、過ぎ去りし思い出をあらわします。
記憶があいまいになるくらい、はるか昔のこと。
懐かしく思える過去が「あの時」です。
「その時」とは?
「その時」とは、何かが起こった時間のこと。
過去の出来事について話す場合もあれば、これから起こる未来について語るシーンでも使われます。
「その瞬間・その時刻」という語句にも置きかえできる、短い時点をあらわす表現です。
もともと「その時」の「その」には、聞き手から近いというニュアンスが含まれています。
そのため身近に迫っている問題、そう遠い過去ではない時間を「その時」といいます。
すでに話題に上っているもの、ある時間帯をあらわす言葉が「その時」です。
「その際」とは
「その際」とは「その場合」のこと。
未来について語るシーンで使います。
「もしこのような事態が起こったら」という仮定のニュアンスを含む表現になります。
「その際」の「際」には「ちょうどその時間に」という意味があります。
そのため何かをおこなう、ある特定の時間を「その際」といいます。
例えばビジネスのシーンで「その際はよろしくお願いします」という言い回しがあります。
これは「その節はよろしくお願いします」のこと。
そう遠くない未来にお世話になることを、述べたものです。
「あの時」と「その時」と「その際」の違い
・「あの時」は過去、「その際」は未来
それぞれ、ある時間をあらわす「時」にまつわる表現です。
「あの時」は「あの時を懐かしむ」のように、当時をあらわす表現です。
昨日やおとといではない、少し前を指します。
また「その時」は、過去と未来をふくむ言葉です。
最近起こった出来事や、近いうちに起こりそうな事象を取り上げています。
また「その際」は、未来をあらわす言葉として定着しています。
これからやって来る、今より先の時間をあらわします。
まとめると「あの時」は「当時」にあたる、過去を伝える表現。
「その時」は過去と未来、どちらにも使えます。
そして「その際」は「その節」と同じく、未来を伝える表現になります。
まとめ
「あの時」と「その時」と「その際」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも時間にまつわる表現です。
「あの時」は、当時のこと。
過去のある時点を指したものです。
そして「その時」は、その瞬間のこと。
未来と過去どちらにも適用できます。
「その際」は「その節は」と同じように、未来をつたえる表現です。