この記事では、「口紅」と「リップ」と「ルージュ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「口紅」とは?
「口紅」【くちべに】は、唇に色味を付けるメイクアップ用品(化粧品)です。
名前のとおり、口(唇)に赤み(紅色)を与える化粧品で、赤系を中心にピンク、ベージュ、オレンジ系などのさまざまな色が展開しています。
ファンデーション、チークカラー、アイカラーなどと共に主要な化粧品であり、唇の形をきれいに見せ艶や華やかな色味を与えて、唇に美しく健康的な印象をもたらします。
唇を紅色にいろどる習慣は、紀元前にはすでに存在しており、土から採集した顔料、コチニール、ベニバナなどさまざまな原料が口紅に用いられてきました。
現在は顔料とロウを混ぜ合わせてスティック状に固めた「口紅」が主流となっており「リップスティック」と呼ばれることもあります。
また、スティック状の口紅のほか表面に濡れたようなつやを出す「グロス」や色が長持ちする「ティント」など、さまざまな効果を持つタイプも登場しています。
「リップ」とは?
「リップ」は、英語で唇のことです。
日本では「リップ」といえば、一般に化粧品の「リップクリーム」を指します。
「リップクリーム」は、クリームや油分を含んだ唇の保湿剤です。
「口紅」のようなスティックタイプが主流ですが、ジャーに入った軟膏状の「リップバーム」と呼ばれるタイプもみられます。
英語で“lip”(リップ)は、唇、または「唇用の」という意味を持ち、「口紅」は“lipstick”(リップスティック)、リップクリームは“lip balm”と表記します。
ちなみに私たちが呼んでいる「リップクリーム」は和製英語です。
リップクリームは、略して「リップ」と呼ばれることが多く、「リップクリーム」と「リップスティック」が混同するためか、「リップスティック」は「リップ」ではなく「口紅」「ルージュ」と呼び分ける傾向がみられます。
「ルージュ」とは
「ルージュ」は、フランス語で赤色のことです。
日本では、「口紅」を意味する和製英語として用いられています。
フランス語では“Rouge”と表記し、赤色、赤いものを意味します。
口紅、ほお紅など顔に赤みをさす化粧品という意味で使われることもあります。
日本では“Rouge”が転じて、口紅のことを和製英語の「ルージュ」と呼ぶようになりました。
フランスでは唇を意味する“levres”を付けて“Rouge a levres”と呼んでいるので、「口紅」のことを“Rouge”と言っても通じない可能性があります。
「口紅」と「リップ」と「ルージュ」の違い
「口紅」「リップ」「ルージュ」は唇に塗る化粧品の名称です。
「口紅」と「ルージュ」は同じもので、「リップ」は一般に「リップクリーム」を指しています。
「口紅」は唇の形や色味を整える化粧品です。
「ルージュ」はフランス語で赤色を意味しますが、日本ではフランス語の「口紅」を指す“Rouge a levres”が転じ、口紅を「ルージュ」と呼ぶようになっています。
「リップ」は唇を保湿するリップクリームを略した言い方です。
スティック状になっているので「口紅」と似ていますが、無色かほとんど色が付かないものが多く、用途は「口紅」と異なります。
まとめ
「口紅」と「ルージュ」は同じメイクアップ用品で、「リップ」は唇を保湿するクリームのことです。
「ルージュ」や「リップ」は日本特有の呼び方で、海外では通じないこともあわせて覚えておきましょう。