「改善」と「改革」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「改善」と「改革」の違い生活・教育

この記事では、「改善」「改革」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「改善」と「改革」の違い

変化させる、今よりも良くなるようにする、といった意味となる「改善」「改革」

同じような意味を持つ言葉ですが、少し意味合いが異なってきます。

「改善」の方が今の状態、状況を認めたうえで、今よりも良いものにする、良い状態・状況にするといった意味合いが強く、「改革」の方は、今のものを大きく変化させ、より良いものに優れたものに新しいものにと変化させるといった意味合いが強くなります。

「改革」の場合、今の状態・状況に対し否定的な意味合いが強くなっていると言えるのです。

この、今の状態・状況を肯定したうえで変化させるのが「改善」

今の状態・状況を否定し変化させるのが「改革」といった違いとなります。


「改善」と「改革」の使い方の違い

「改善」「改革」の使い方の違いとしては、「改善」は、今の状態・状況を肯定したうえで今よりも良いものに変化させたい場合に使用することとなります。

そして、「改革」は、今の状態・状況に対し否定的で、そのうえで今よりも良いものに変化させたい場合に使用します。

例えば、「品質の改善」という使い方は行われますが、「品質の改革」といった使い方はありません。

「品質の改革」といった使い方をしてしまうと、今までの品質を否定してしまうからです。

今までの品質を肯定したうえで、より良いものにしたいという意味から、「品質の改善」という使い方が正しい使い方となります。

反対に制度や組織を大きく変更する場合は、「制度改革」「組織改革」といった使い方が行われます。


「改善」と「改革」の英語表記の違い

「改善」は英語で、amelioration; betterment; minor improvement; MI; improvement; change for the betterです。

「製品の改善」は、product improvement 「改善策」は、remedial measuresとなります。

「改革」は英語で、reform; reformation; reorganizationです。

「行政[政治, 税制]改革」は、administrative [political, fiscal] reforms 「改革案」は、a plan for the reform of [for reforming] 《the electoral system》となります。

「改善」の意味

今の状態・状況を認めたうえで、今よりも良いものにしたいと意味を持つ「改善」

今の状態・状況をポジティブにとらえ、そのうえで、より良いものにするといった意味が強い言葉となります。

「改善」の使い方

今の悪い点を見直し、改めて良いもののすることといった意味の「改善」

そんな、「改善」の使い方としては、基本的に今の状態・状況を認めたうえで変えていく際に使用する使い方となります。

例えば、今の品質を認めたうえでより良いものにするといった意味で「品質の改善」

今の生活状態を認めたうえでより良いものにするといった意味で「生活の改善」

業務の効率化を図るといった意味で「業務の改善」などといった使い方が行われます。

「改善」を使った例文

・『より働きやすい職場にするため、社員とともに労働条件を改善していきたいと思う。』
・『先生曰く、僕の投球フォームには、まだまだ、改善の余地があるそうです。』
・『お客様の意見を取り入れ、品質の改善を行っていきたいと思っています。』
・『子供の小学校入学に向け、親子共々、生活の改善を行いたいと思います。』

「改善」の類語

「改善」の類語は、「改良」「矯正」「是正」「向上」「進歩」「上達」「進展」「前進」「発展」などとなります。

どれも、今よりも良くなるといった意味を持つ言葉となります。

「改善」の対義語

「改善」の対義語は、「改悪」「悪化」「退化」「退歩」などとなります。

どれも、今よりも悪い状態・状況になるといった意味を持つ言葉となります。

「改革」の意味

今の状態・状況に対し否定的で、そのうえで、今よりも良い状態・状況にするといった意味を持つ「改革」

「改善」に比べ、「改革」の方が今までの考え方にネガティブなイメージがあり、そのネガティブなイメージのあるものを大きく変化させるといった意味が強い言葉となります。

「改革」の使い方

今の状態・状況において、否定的で、そのうえでより良いものにするといった意味を持つ「改革」

そんな、「改革」の使い方としては、基本的に今の状態・状況を否定し変化させる際に使用する使い方となります。

例えば、大きく変化させるといった意味を持つ「組織改革」「制度改革」

今までの制度を改め良いもののする人を指す「改革派」

今までの働き方を一新する方針となる「働き方改革」などといった使い方があります。

「改革」を使った例文

・『働き方改革によって、実際、どのように働き方が変わったのだろか。まだ、実感することはできない。』
・『今年、大学入試制度の改革によって、センター試験がなくなり共通テストというものになった。』
・『今年度より、当社は業務向上を目指し、大きな制度改革を実施します。』
・『改革派によって、良い方向に変化することを望んでいます。』

「改革」の類語

「改革」の類語は、「革新」「刷新」「改変」「改新」「改良」「変革」などとなります。

どれも、大きく変化する、全部新しくするといった意味となります。

「改革」の対義語

「改革」の対義語は、「踏襲(とうしゅう)」です。

「踏襲(とうしゅう)」には、前回のやり方などを、そのまま引き継ぐことといった意味があります。

まとめ

以上が、「改善」「改革」の違いです。

両者に違いは、「今の状態・状況をどう思っているか」です。

この違いを踏まえ使い分ける必要があります。