「軟禁」と「幽閉」の違いとは？使い方や例文も徹底的に解釈

この記事では、「軟禁」と「幽閉」の違いを分かりやすく説明していきます。

「軟禁」と「幽閉」の違い
1. 「軟禁」と「幽閉」の使い方の違い
2. 「軟禁」と「幽閉」の英語表記の違い
「軟禁」の意味
「幽閉」の意味
まとめ

「軟禁」と「幽閉」の違い

「軟禁」と「幽閉」の違いについて紹介します。

「軟禁」と「幽閉」の使い方の違い

「軟禁」は、「人をある敷地内に留めて、外出させなかったり、外部との接触を制限すること」に使われます。

比較的緩やかに監禁することを表す言葉です。

「幽閉」は、「人をある場所に閉じ込めて出られない様にすること」に使われます。

制限するのではなく、全く行動させない様にすることを表す言葉です。

「軟禁」と「幽閉」の英語表記の違い

「軟禁」の英語表現は「house arrest」です。

辞書には他の表現も掲載されていますが、一般的にはほぼこちらが使われます。

ミャンマーの「アウンサン・スーチー氏」に対する記事では全てこの表現が使われています。

“He is under house arrest.”

(彼は自宅に軟禁されている)

「幽閉」の英語表現は「confined」です。

こちらは「監禁」と同じ意味で使われますので、前後でどの様な状態にあるのかを説明する必要があります。

“He was confined in a basement room.”

(彼は地下室に監禁された)

「軟禁」の意味

「軟禁」は「なんきん」と読みます。

意味は「比較的ゆるやかな監禁、家または室内に人を留めて、外出や外部との連絡、接触を制限すること」です。

手足を縛って身動きできない様にするのではなく、室内や自宅内から出られない様にして、外出させなかったり、外部と連絡させなかったり、他の人と合わせない様にして自由を奪うことを言います。

「軟」は「やわらかい」とも読み「穏やかな様子」という意味、「禁」は「自由にさせないこと」という意味、「軟禁」で「穏やかに自由を奪うこと」になります。

「軟禁」の使い方

「軟禁」は、「身動きできない訳ではないが、外出したり人と会ったりする自由を制限されること」に使います。

最近ではミャンマーの「アウンサン・スーチー氏」が「軟禁」から解放されたり、クーデターにより再度「軟禁」されたことで注目された言葉です。

「軟禁」は「軟禁する・される」と、人に対して使われる言葉です。

「軟禁状態に置かれる」という場合、「ある場所に留めさせられ、自由に行動できない様にされること」を表します。

「自宅軟禁」は「自分の家から出られないこと」という意味です。

自宅の中であれば自由に行動できますが、外出はできない状態で、人が訪問することも制限されます。

「軟禁」を使った例文

・『スーチー氏はミャンマー国軍によるクーデターで自宅に軟禁された』
・『家は広いが何年も軟禁されていると精神的な苦痛が大きい』
・『彼はスパイの嫌疑がかけられて10年間自宅軟禁されていたそうだ』
・『今どき軟禁されても情報は伝わってくると思う』
・『軟禁されたらネットなど使える筈がないだろう』

「軟禁」の類語

「足止め(あしどめ)」
ある場所からの外出や通行を禁じることを言います。

「収容(しゅうよう)」
人やものを一定の場所に入れて管理することを言います。

「軟禁」の対義語

「出入自由(でいりじゆう)」
人の出入りを制限しないことを言います。

「幽閉」の意味

「幽閉」は「ゆうへい」と読みます。

意味は「ある場所に閉じ込めて一歩も外に出さないこと」です。

部屋や地下室、塔の一部など、限られた場所に捉えて、外に出られない様にすることを言います。

「幽」は「幽霊」ではなく、「捉える」「閉じ込める」という意味があり、「幽閉」で「捉えて閉じ込める」になります。

「幽閉」と似たような表現に「監禁」がありますが、こちらは縛ったり鎖でつないだりして身体を拘束して、ある場所に閉じ込めることです。