「尽力」と「努力」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「尽力」と「努力」の違い生活・教育

この記事では、「尽力」「努力」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「尽力」と「努力」の違い

「尽力」「努力」はどちらも「何かの目的のために頑張ること」を意味していますが、「尽力」という言葉は「他者・世の中・所属組織のために、自分の持っている力を出し尽くして頑張ること」を意味しています。

「尽力」に対して「努力」という言葉は、「主に自分関連の目標・目的を実現するために、心と体を活用して頑張ること、思いきり努めること」を意味しているという違いを指摘できます。


「尽力」と「努力」の使い方の違い

「尽力」「努力」の使い方の違いは、「尽力」「主に自分以外の他者・社会(世の中)・会社などのために、持っている力を尽くすこと」を意味して使われますが、「努力」のほうは「主に自分自身の目標を達成するために、心身をフルに使って頑張ること」を意味して使われる違いがあります。

例えば、「努力」「尽力」と比べると「他者のために自分の力を尽くす」の意味が弱いので、「ご尽力いただき感謝します」とはいっても、「ご努力いただき感謝します」とはいわないという違いを指摘できます。

また「努力家」「努力は実る」という言葉はありますが、「尽力家」「尽力は実る」という言い方はありません。


「尽力」と「努力」の英語表記の違い

「尽力」を英語で表記すると以下のようになります。

“render a service to~”(~のために尽くす・~のために尽力する) “devote oneself”“exert oneself”(献身する・尽力する) 「尽力」に対して「努力」という言葉を英語で表記すると以下のようになります。

“effort”(努力)
“make an effort”(努力する)
“endeavor”(継続的な努力・努力)
このように、「尽力」の英語表記は“devote oneself”などであり、「努力」の英語表記は“effort”などであるという違いがあります。

「尽力」の意味

「尽力(じんりょく)」という言葉は、「自分の持っている力を出し尽くすこと・自分の能力をすべて発揮すること」を意味しています。

「尽力」という表現には、特に「自分以外の他者・世の中(社会)・所属企業などのために、持っている力をすべて尽くす」といった意味のニュアンスがあります。

「尽力」の使い方

「尽力」という表現は、「自分の持っている力を何かのために尽くすこと」あるいは「自分以外の他者・社会・所属組織などのために、自分の持っている能力をすべて出し尽くすこと」を意味して使うという使い方になります。

例えば、「彼女の尽力がなければ、今もまだこの問題に悩まされていたでしょう」といった文章で使用できます。

「尽力」を使った例文

・『この度はお忙しい中、私どものプロジェクトのためにご尽力いただき、まことにありがとうございます』
・『先生の尽力のおかげで、この山間地域にも診療所を建設することができたのです』
・『ここに集まってくださった皆様方のご尽力を頂ければ、非常に心強く思います』
・『社員の皆様方の苦労を厭わぬご尽力によって、このプロジェクトを納期までに完成させることができました』
・『看護活動・社会福祉活動に尽力したナイチンゲールの功績は、歴史的にも高く評価されています』

「尽力」の類語

「尽力」の類語には、「献身(けんしん)・貢献(こうけん)・滅私奉公(めっしほうこう)・寄与(きよ)」などがあります。

「献身」とは「自分の利益をかえりみることなく尽くすこと」「貢献」とは「何か・誰かのために力を尽くして寄与すること」「滅私奉公」とは「自分の利益を捨てて社会・公共のために尽くすこと」「寄与」とは「何かに貢献して役に立つこと」を意味している言葉です。

それらの意味から、「尽力」と類似した意味を持つ類語として、「献身・貢献・滅私奉公・寄与」を挙げることができます。

「尽力」の対義語

「尽力」の国語辞典などに掲載されている対義語はありませんが、その意味から「手抜き・放棄・無関心・貢献しない」などを挙げられます。

「尽力」の言葉には、「手抜き・放棄をせずに、自分以外の他者・社会のために尽くすこと」「問題に対して関心を持ち、他者・世の中のために貢献すること」の意味合いがあります。

それとは反対の意味を持つ言葉として、「手抜き・放棄・無関心・貢献しない」を想定することができます。

「努力」の意味

「努力(どりょく)」とは、「何らかの目的を達するためにつとめて励むこと・力を発揮して頑張ること」を意味している言葉です。

「努力」という表現には、「主に自分自身に関する目標・目的を達成するために、心身を使って励み頑張ること」といった意味のニュアンスがあります。

「努力」の使い方

「努力」の使い方は、「主に自分自身に関連する目標のために、自分の心と体を活用して励みつとめること(頑張ること)」を意味して使うという使い方になります。

例えば、「努力は無駄にならないという信念で、日々の厳しい訓練に耐えています」といった文章で使用することができます。

「努力」を使った例文

・『私は才能よりも努力によってここまで勝ち上がってきました』
・『努力をする前から諦めているようでは、何事も達成できないでしょう』
・『血の滲むような努力をしたことがある人は、どんな逆境も乗り越えられます』
・『努力は実ると信じて、私は毎日8時間は受験勉強をし続けました』
・『努力を継続することさえできれば、大半の目標は何とか達成できるものです』

「努力」の類語

「努力」の類語には、「苦労(くろう)・努める・奮励(ふんれい)・精励(せいれい)・懸命(けんめい)」などがあります。

「苦労」の表現は「苦しみながらも頑張ること」「奮励」という言葉は「自分を励まして頑張ること」「精励」とは「精力を出してつとめ励むこと」「懸命」とは「持っている力を尽くして頑張ること」を意味しています。

これらの意味から、「努力」と類似した意味を持つ類語として、「苦労・奮励・努める・精励・懸命」を挙げられます。

「努力」の対義語

「努力」の国語辞典などに掲載されている対義語はありませんが、その意味から「怠惰・さぼり・無気力・自堕落(じだらく)・諦め」などを挙げられます。

「努力」とは「怠けたりさぼったりすることなく、目的達成のために(諦めることなく)励んで頑張ること」を意味しています。

「自堕落」の表現は、「自分に甘くて義務を果たさないさま・ダラダラとしていてやるべきことをしないさま」の意味を持っています。

それらの意味合いから、「努力」と反対の意味を持つ対義語として、「怠惰・さぼり・無気力・自堕落・諦め」を想定することができるのです。

まとめ

「尽力」「努力」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「尽力」「努力」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。