この記事では、「解散」と「解消」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「解散」と「解消」の違い
「解散」と「解消」は、どちらも何かが「終わりになる」ときに用います。
しかし、意味や使われ方には違いがあります。
「解散」は「行事や会が終わるとき」に用いられる言葉です。
「解散」は「集まっていた人々が分かれる」という意味だからです。
一方「解消」は、「それまでに続いていた状態が消えてなくなる」ときに用いられます。
「同居を解消した」など、「一緒に暮らしていた人と別れた」という意味で用いる場合もありますが、「それまで続いていた関係が終わった」というニュアンスを含む場合に、「解消」という語が用いられます。
「解散」と「解消」の使い方の違い
「イベントなどが終わり、集合している人々がばらばらになるとき」に「解散」を用います。
たとえば、「ミーティング後に解散する」などのように使います。
これは、「ミーティングが終わったら、集まっていた人たちは分かれてそれぞれで行動する」ということです。
一方「解消」は、「それまであった状態がなくなること」という意味なので、人々が集合していない場合にも使われます。
たとえば、「不安を解消した」などがこれに当たります。
これは、「これまで続いていた不安がなくなった」ということです。
「集合していた人々が分かれるとき」に使うのが「解散」です。
行事やイベント、会などで集まっている人々に対して使われる語です。
一方、「これまで続いていた状態が終わるとき」に用いるのが「解消」です。
「解消」は人々の関係性や、状態、気分、約束や契約などに対して用いられる語です。
「解散」と「解消」の英語表記の違い
「解散」は英語で“dissolution”です。
また、“break up”とも言います。
「解消」の英語表記は“cancellation”です。
これは、「取り消し」という意味もある単語です。
「解散」の意味
「解散」とは、「集合していた人々が分かれて、ひとりひとりばらばらになること」です。
イベントや行事、集会などで人は集まることがあります。
それらが終わると、それまで行動を共にしていた人と分かれて、団体が個に戻ります。
この「集まっていた人が分かれること」が「解散」です。
また、会社や法人などの団体組織を解くことも「解散」と言います。
これも、「集まっていた人同士の結束を解き、個に戻す」ということです。
「解散」の使い方
「集合していた人たちが分かれるとき」に「解散」という語は使われます。
「遠足は午後三時に解散となった」と使ったときは、「遠足は午後三時に終わり、それまで一緒に行動していた人々はそれぞれに分かれた」という意味になります。
「その学生サークルは解散した」と用いた場合、「その学生サークルはなくなり、集まっていたメンバーが団体で活動することはなくなった」ということです。
「解散」を使った例文
・『明日は午前九時に集合で、午後二時に解散の予定です』
・『忘れ物を取りに戻った僕がやっとみんなと合流できたと思ったら、みんなはもう解散するところだった』
・『その学校の修学旅行は、現地集合、現地解散です』
・『先生が解散と言ったのに、私たちはつい楽しくて、いつまでも公園に残って遊んでいました』
・『あなたが見学を希望しているボランティア団体は、残念ながら先月に解散してしまいました』
・『解散後はすみやかに帰宅すること』
「解散」の類語
「解散」の類語は「散会」(さんかい)です。
「散会」とは、「会合が終わり、集まっていた人々が別れること」です。
また、「閉会」(へいかい)も「解散」の類語です。
「閉会」は「集会や会議が終了すること」です。
「解散」の対義語
「解散」の対義語は「集合」(しゅうごう)です。
「集合」とは、「ある目的のために、人々が集まること」です。
また、「結成」(けっせい)も「解散」の対義語です。
「結成」とは、「人々が集まり、組織を作り上げること」です。
「解消」の意味
続いて、「解消」の意味を説明します。
「解消」は「今までの状態や関係がなくなること」です。
それまでにあった気持ちや約束、取り決めや、組織などがなくなることを「解消」といいます。
「解消」の使い方
「解消」とは、「それまでにあったものがなくなること」です。
「悩みが解消された」と使った場合、「それまであった悩みがなくなった」という意味になります。
「同居を解消する」と用いた場合、「同居をしていたが、その関係を止めにする」ということです。
「継続していた状態を中断し、なくす」とき、「解消」という語が使われます。
「解消」を使った例文
・『友人と大喧嘩して、ルームシェアは解消となった』
・『彼女から話を聞いて、僕の中にあったわだかまりは解消された』
・『もしも成績が不安なら、その気持ちを解消するために、今以上に努力すべきだ』
・『これでやっと同居を解消できる、と彼女は喜んだ』
・『その食べ物は食物繊維を多く含んでいるので、便秘解消の効果があると言われている』
・『月に一度、ショッピングモールに行き、思いっきり買い物をします。これが私のストレス解消方法です』
「解消」の類語
「解消」の類語は「中断」(ちゅうだん)です。
「中断」とは、「それまで続いていたものを、途中で終わりにしてしまうこと」です。
また、「発散」(はっさん)も「解消」の類語であると考えられます。
「発散」は、「外へ出して散らす」ということです。
例えばストレスや不安などに対して「解消」が用いられた場合、「ネガティブな気持ちがなくなる」という意味になるので、「発散」が意味の近い語となります。
「解消」の対義語
「解消」の対義語は「継続」(けいぞく)が考えられます。
「継続」とは、「それまでにあった状態が引き続くこと」です。
まとめ
「解散」と「解消」の違いについてまとめました。
「解散」は、「集まっていた人たちが分かれて個人に戻ること」です。
「解消」は、「それまでにあった状態が消えてなくなること」です。