「移転」と「移設」と「移動」はどれも何かの場所や位置が変わる際に使用される言葉ですが、詳細な意味が異なるため使い分けが必要になります。
この記事では、「移転」と「移設」と「移動」の違いを分かりやすく説明していきます。
「移転」とは?
「移転」には「場所や位置を移すこと」という意味があり、通常は「企業や店などの住所を移すこと」という意味で使用されています。
また、法律の分野においては「権利を他方に移すこと」といった意味で用いられています。
「移転」の例文
「移転」は、オフィスや店舗などが引っ越して住所を移す際に使用します。
名詞に分類され、「移転が」や「~の移転」などの使い方をするほか「移転する」のように動詞的に使用する場合もあります。
・『来週までに事務所移転の案内状を作成する予定だ』
・『事業規模の拡大により支社が移転することになった』
「移設」とは?
「移設」には「移して設置する」という意味があり、主に「施設や設備などを他の場所に移すこと」という意味で用いられています。
施設は「特定の目的のために建設されたもの」を指し、設備は「建物の維持に必要な機械類」を指します。
なお、施設や設備などがその建物を含んだ「住所」を移す場合は「移転」と表現することも可能とされています。
「移設」の例文
「移設」は「施設や設備などを移して設置する」状況で使用されます。
名詞にカテゴライズされ、「移設が」や「~の移設」といった使い方をする以外に「移設する」など動詞的に使うケースもあります。
・『工場設備の移設作業を手伝うことになった』
・『利用者の増加により福祉施設を移設することが決定した』
「移動」とは
「移動」は「ある位置から他の位置に移ること或いは移すこと」を意味する言葉で、主に「人や物が現存している場所から物理的に他の場所に移る」際に用いられています。
また、「生き物が棲む場所を変える」という意味で使用される場合もあります。
「移動」の例文
「移動」は「人や物などが物理的に場所を変える」際に使用される言葉です。
名詞や動詞として使用されることが一般的で、「移動が」や「~の移動」、「移動する」といった用法があります。
・『ソファの移動によってリビングルームがより広くなった』
・『彼女は正午のベルが鳴るとすぐ食堂に移動した』
「移転」と「移設」と「移動」の違い
「移転」と「移設」と「移動」はどれも「場所や位置が変わること」という意味を含みますが、詳細な意味合いに違いがあります。
「移転」には「住所もしくは権利を移すこと」という意味があるのに対し、「移設」は「施設や設備などを移すこと」を意味します。
また、「移動」については「人や物が物理的に移ること」という意味があり、「移転」や「移設」と比較すると対象となるものの幅が広いイメージです。
まとめ
「移転」と「移設」と「移動」は同じような意味を含んでいますが、「何を移すか」という点に違いがあります。
三つの言葉の正しい意味を理解して、シチュエーションに合った使い方をしましょう。
ぜひ言葉の使い分けの参考にしてください。