「守る」と「救う」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「守る」と「救う」の違い生活・教育

この記事では、「守る」「救う」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「守る」と「救う」の違い

「守る」の主な意味は4つあります。

1つめは、権利や権限を奪われたり、害を受けたりしないように防ぐことです。

2つめは、そうするとはっきりと定めたことや行為などについて定められた事柄に従うことです。

3つめは、競技や試合などで相手の攻撃への準備をし、得点を与えないようにすることです。

4つめは、目を離さずに見ることです。

「救う」にも、4つの意味があります。

1つめは、生命が損害を受けるような状態、良好でない環境にある人に、何かしらの働きかけをして、そこから抜け出させることです。

2つめは、見えない存在の力によって苦しい状態から抜け出させたり、悩みを取り除いたりすることです。

3つめは、好ましい方向に導くことです。

4つめは、よい条件などによって悪い条件などが打ち消されることです。

「危険から守る」「危機から救う」など、似たような場面で使われる言葉なので、意味が同じように感じるかもしれませんが、それぞれの言葉が指していることは違います。

「守る」は危険や害を受けないようにすること、防ぐことです。

また、危険や害ではありませんが、競技や試合などで得点を取られないようにする、つまり自分にとって不利になるようなことを防ぐという意味もあります。

「防ぐ」という意味を持つ言葉です。

「救う」は悪い状態や危険な状態などから抜け出させることです。

見ているだけでは抜け出すことは難しいので、何かしらの働きかけをします。

ある状態から「離れる」という意味を持つ言葉です。


「守る」と「救う」の使い方の違い

何かを受けないようにすることについて「守る」を使用します。

何かとは、危険や害などです。

何かから抜け出させることについて、「救う」を使用します。

何かとは、悪い状態や生命の危機に瀕するような事柄です。


「守る」と「救う」の英語表記の違い

「守る」は英語で、防御する意味では“defend”“guard”と表現をし、決められたことに従う意味では“keep”と表現をします。

「救う」は英語で“save”“rescue”“help”などと表現をします。

「守る」の意味

複数の意味がありますが、主なものは4つになります。

1つめは、権利や権限を奪われたり、害を受けたりしないように防ぐことです。

家の中にいる時に大きな地震があると、物が倒れたり落ちてきたりして、自分にあたる可能性があり危険です。

このとき、自分が物に当たらないように、安全な場所に逃げたり、頭を保護したりすることでしょう。

この行為は、害を受けないように防いでいるといえます。

2つめは、そうするとはっきりと定めたことや行為などについて定められた事柄に従うことです。

夜8時以降は絶対に食べないと決めたとしたら、夜8時以降には食べないという決まりに従うことを意味しています。

夜8時を過ぎたら、たとえ一口であっても何も食物を口にしません。

3つめは、攻め撃ってくる敵に備えること、試合で相手に得点を決められないように備えることです。

サッカーの試合では、相手チームに得点を与えないようにするために、ゴール前にキーパーがいます。

このキーパーが行っていることが「守る」です。

4つめは、目を離さずに見ることです。

みまもることを意味しています。

「守る」の使い方

害を受けないように防ぐ、決まりに従うという意味で使用をします。

行為をする側から見た言葉で、「青年を守る」のような使い方をします。

この場合、青年からすれば「守られる」になります。

「守る」を使った例文

・『スリッパを飼い犬のイタズラから守る』
・『校則を守る』
・『津波から身を守る』
・『ゴールを○○選手が守る』

「守る」の類語

「かばう」が類語です。

他から危険や悪い影響を受けないように防ぐことです。

弱い立場のものをいたわる意味合いがあります。

「守る」の対義語

「攻める」が対義語です。

こちらから攻め撃つことです。

「救う」の意味

「救う」には、4つの意味があります。

1つめは、生命が損害を受けるような状態や悩み苦しんでいる状態から、離れられるようにすることです。

川でおぼれている人がいたとします。

このとき、消防を呼んだり、自ら川に飛び込んだりすることでしょう。

どちらの場合であっても、何かしらの働きかけをして、生命が損害を受けるような状態から抜け出させようとしています。

2つめは、神や仏の力によって、心がつらい状態から離れさせたり、悩みを取り除いたりすることです。

3つめは、よい方向に導くことです。

よいの基準は人それぞれですが、この場合のよいとは世間一般にいわれていることを指しています。

未成年が深夜遅い時間に外を出歩くことは、よくないとされています。

深夜に未成年が出歩いているところを警察が見つければ、声をかけることでしょう。

警察官の行為は、悪いことから抜け出させて、よい方向に導くためです。

この言葉自体には、誰の行為なのかという意味は含まれていません。

4つめは、よい条件によって悪い条件を打ち消すことです。

多くの場合、「救われる」の形で使用をします。

大切な人が重い病気にかかってしまうと、周囲の人は気持ちが塞ぎがちになることが珍しくありません。

そのような状況でも本人が明るくしていると、周囲の人たちは慰められます。

重い病気は悪いこと、本人が明るいことがよいことで、よいことによって悪いことが打ち消されています。

「救う」の使い方

悪い状態や危険な状態などから抜け出させるという意味で使用をします。

抜け出させるために、知識や体力を貸す、品物や金銭を与えるなどをします。

「救う」を使った例文

・『漁網にひっかかったウミガメを救う』
・『瓦礫から救う』
・『貧困者を救うために募金を集めている』
・『姫を救うために勇者が冒険に出かける』

「救う」の類語

「助ける」が類語です。

危険な状態などから抜け出させること、足りないところに手を貸すことです。

「救う」の対義語

ありません。

まとめ

似たような場面で使われるので、同じ意味を持っているように感じますが、それぞれの言葉が持っている意味は違います。

そのため、同じ使い方ではありません。