私たちが日常生活の中で使っている言葉の中には同じ読み方をしても全く意味の異なる同音異義語というものがあります。
では、「すてき」と読む「素敵」「素適」「素的」はどのような意味があるのでしょうか?
そこでこの記事では、「素敵」と「素適」と「素的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「素敵」とは?
「素敵」は「非常に優れており、良い印象があること」「すばらしいこと」、「程度が甚だしいさま」、あるいは「度は外れたさま」といったような意味があります。
「素敵」の例文
「素敵」の例文には以下のようなものが挙げられます。
・『彼女は素敵な人だ』
・『あのアイテムがすごく素敵なの』
「素適」とは?
「素適」は「非常に優れているさま」や「程度が甚だしいさま」という意味を持つ言葉です。
「素適」の例文
「素適」の例文は次の通りです。
・『素適な感じがする』
・『素適な人だと思うな』
「素的」とは
「素的」は「程度が甚だしいさま」、あるいは「度が外れたさま」という意味を指しています。
「素的」の例文
「素的」の例文は以下の通り。
・『素的な装いをしていますね』
・『あなたのその振る舞いが素的なんだ』
「素敵」と「素適」と「素的」の違い
では、「素敵」と「素適」と「素的」の違いを考えて見ましょう。
前項で見たように「素敵」「素適」「素的」ともに「程度が甚だしいさま」、あるいは「度が外れたさま」という意味を持っていました。
このことから、3つの言葉には違いはないことが理解できます。
言葉にはおおよそ語源があるものですが、「すてき」という言葉は語源が明確になっていません。
そのために「すてき」という言葉に漢字を当てる時に「素敵」「素適」「素的」はいずれも当て字で表記していたのではないかと考えられるのです。
業界によっては「すてき」に使われる漢字が固定されているケースが多く、新聞などを見ると「すてき」=「素敵」「素適」「素的」が使われることがほとんどなく、ひらがな表記で「すてき」とされていることが大半です。
ユニークなのは、文学での世界でも使い方。
「素敵」「素適」「素的」を何れかが使われており、一定していないのです。
同じ読み方をしても解釈が異なる同音異義語とはジャンルの違う言葉であり、非常に珍しいケースではないでしょうか。
混同をさけるために「すてき」とひらがなで用いられることを考えると、当て字を使うということは中々考えさせられるものがあります。
まとめ
「素敵」と「素適」と「素的」の意味と違いを説明してきました。
最近の使い方ではひらがなで「すてき」と表記するより「ステキ」とカタカナを用いるケースをネットのブログやコラムで目にすることも多くなってきました。
これもまた、時代を反映した使い方ではないかと思うのです。
何れにしても言葉の意味を正しく理解すると同時に正しい漢字表記を覚えておくことも大切ですが、「すてき」のような言葉があることを知るのも感慨深いものがあります。