「往来」と「往復」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「往来」と「往復」の違い生活・教育

この記事では、「往来」「往復」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「往来」と「往復」の違い

「往来」「往復」「人・車が行ったり来たりすること」という類似の意味を持っていますが、「往来」には「往路(行き道)と復路(帰り道)の区別がほとんどない」のに対して、「往復」のほうは「往路(行き道)と復路(帰り道)の区別のニュアンス」がある違いを挙げられます。

「往復」「ある地点(目的地)まで行って帰ること」を示唆しますが、「往来」「道などを行き来すること」に意味の重点があるのです。

また「往来」には「人・車が行き来する道路」「思考・感情が心の中に出没すること」の意味がありますが、「往復」はその意味合いを持っていません。


「往来」と「往復」の使い方の違い

「往来」「人・車(乗り物)などが、道を行ったり来たりすること」の意味合いで使われますが、「往復」という言葉は「人・車(乗り物)などが、ある地点にまで行ってから帰ってくること」を意味して使われる違いがあります。

そのため、「人(車)の往来が激しい」とはいいますが、「往復」「行って帰ること」まで意味するので、「人(車)の往復が激しい」とはあまりいわないのです。

「往来」「往来にゴミをポイ捨てする」のように「人・車が行き来する道路(公道)」の意味で使いますが、「往復」はその意味では使えない違いもあります。

また「往来」「頭の中にある考え・気持ちが浮かんだり消えたりする」の意味での使い方がありますが、「往復」にはその使い方もありません。


「往来」と「往復」の英語表記の違い

「往来」の英語での表記は以下になります。

“come and go”“traffic”(行ったり来たりすること・往来)

“street”“road”(道路・通り・公共の道・往来)

“communication”(人とやり取りすること・往来すること)

「往復」の英語を用いた表現は以下になります。

“round trip”(ある場所にまで行ってから帰ること・往復)

“return”(主にイギリス英語で往復を意味する単語・往復)

“How long does a round trip from A to B take?”(AからBまで往復で、どのくらいかかりますか?)

「往来」の意味

「往来(おうらい)」とは、「人・車(乗り物)などが、ある場所・道を行ったり来たりすること」「お互いの間を行ったり来たりして交際(付き合い)をすること」を意味しています。

「往来」は、交際(付き合い)の意味との関連で、「手紙のやり取り(文通)をすること」の意味も持っています。

「往来」の言葉には、「人・車(乗り物)などが行き来する道路・公道・道(通り)」といった名詞の意味合いもあります。

また「往来」は、「心(頭)の中にある思考や感情が浮かんだり消えたりする」といった意味も備えているのです。

「往来」の使い方

「往来」の一般的な使い方として、「東京は人の往来が激しい」「往来で子供達が遊んでいました」のように、「人・車などがある場所(道路)を行ったり来たりする」「人・車が行き来する道路・通り」の意味で使われます。

「往来」「彼とは5年以上は往来があります」のように、「相手との間で行き来する交際・付き合い」の意味でも使用できます。

また、「頭の中にあるアイデア・気持ちが出没する」の意味で使う使い方もあります。

「往来」の表現は、「往来する・往来が激しい(往来が多い)・往来が少ない・往来で・往来がある」などの用法・用例で使えるのです。

「往来」を使った例文

・『都会の道路は往来が非常に激しいのです。』
・『仕事に役立ちそうなアイデアが不意に脳裏を往来しました。』
・『往来で遊ぶのは危険だからやめましょう。』
・『往来で立ち止まってスマホを操作していると、人の迷惑になる恐れがあります。』
・『彼女は古くからの往来がある友人です。』

「往来」の類語

「往来」の類語には、以下のような言葉があります。

『行き来(いきき)』……ある場所・道路などを、人・車・自転車などが行ったり来たりするさま。

『道路(どうろ)』『通り(とおり)』……人や車、自転車などが行ったり来たりする道。

人・乗り物が行き来するように整備された道。

『去来(きょらい)』……頭の中(心の中)にある物事・感情などが浮かんだり消えたりすること。

『付き合い(つきあい)』『交際(こうさい)』……人と人が定期的に関わり合い(一緒に会話・行動をする機会)を持つこと。

「往来」の対義語

「往来」の対義語には、以下のような言葉があります。

『没交渉(ぼつこうしょう)』……ある人と他の人との間に、付き合い(往来・関わり合い)がないこと。

「往復」の意味

「往復(おうふく)」とは、「ある地点(目的地)まで行ってから帰ること・往路と復路の行き帰り」を意味しています。

「往復」の表現には、「他者との間を行き来するような付き合いをすること・相互にやり取りする交際をすること」「手紙(書簡)を送ったり受け取ったりすること」の意味合いもあります。

「往復」の使い方

「往復」「大阪まで往復で約500キロはあります」の文章のように、「ある場所にまで行ってから帰ること」を意味して使う使い方になります。

「往復」の使い方として「上司とは私生活でも往復があります」のように、「相互に行き来する付き合いがある」の意味でも使えます。

さらに「往復」「往復書簡」の用例のように、「手紙を相手との間でやり取りする」の意味合いでも使用可能です。

「往復」の表現は、「往復する・往復で・往復にかかる・往復がある・往復がない・往復書簡・手の往復」などの用法・用例で使われています。

「往復」を使った例文

・『家から職場まで往復で二時間は優にかかります。』
・『学生時代は自転車で大学まで往復していました。』
・『深夜バスは片道料金よりも往復料金のほうが割安に設定されています。』
・『その事件の関係者と往復書簡のやり取りをしていました。』
・『今でも幼馴染みとは、年に二~三回は親しい往復があります。』

「往復」の類語

「往復」の類語には、以下のような言葉があります。

『行き帰り(いきかえり)』『往路と復路(おうろとふくろ)』……ある地点(目的地)までの行きと帰り。

ある所にまで行ってから帰ってくること・行き道と帰り道。

『往還(おうかん)』……ある場所(地点)にまで行ってから戻ってくること。

『交流(こうりゅう)』……ある人との間で、定期的に連絡をしたり交際をしたりすること。

「往復」の対義語

「往復」の対義語には、以下のような言葉があります。

『片道(かたみち)』……往復ではなくて行き道だけか帰り道だけのこと。

往路か復路のどちらか一つだけを意味する言葉です。

まとめ

「往来」「往復」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「往来」「往復」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。