この記事では、「刺激」と「影響」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「刺激」と「影響」の違い
「刺激」というのは「主に生体に作用を及ぼして反応させる」を意味しています。
「影響」は「生体だけではなく、社会的な事象に変化をもたらすこと」まで示唆している違いがあります。
「刺激」には「他の物事・行為を活発にするために外から働きかける」の意味がありますが、「影響」にはありません。
「刺激」は「生体の知覚などに働いて反応させるもの」を示しています。
一方、「影響」は「生体以外の物事にも作用してある結果を生じさせること」を意味している部分が異なっています。
「刺激」と「影響」の使い方の違い
「刺激」は、「動植物などの感覚に働きかけて反応を生むもの」の意味で使われます。
「影響」は、「動植物の生命体に限定せず、他の対象物に働いて変えること」を意味して使われます。
例えば、「尖った針で皮膚を刺激する」という使い方はできますが、「尖った針で皮膚を影響する」といった使い方は一般的にすることができないのです。
また「景気を刺激する」のように「刺激」は「ある現象の勢いを強めるために作用する」の意味でも使えますが、「景気を影響する」のような「影響」の使い方はないといった点も違っています。
「刺激」と「影響」の英語表記の違い
「刺激」を、英語を使って表記すると以下になります。
“stimulation”……他の生体・物事に刺激を与えること。
刺激。
“stimulus”……心理学・生物学などのアカデミックな分野の用語などで使われる形式ばった英語で「刺激」を意味しています。
“incitement”……刺激したり扇動したりするもの。
ある反応を引き出す誘因。
刺激。
“thrilling”“exciting”……恐怖を感じるような刺激があるさま。
興奮するほどに刺激的な。
「影響」を、英語を用いて表記すると以下になります。
“influence”……ある物事が持つ力によって、他の物事に作用して変えること。
影響。
“effect”……ある薬剤や物事が持っている効き目・効果効力。
他に何らかの効果を及ぼす影響。
“impact”……ある対象が持っている影響力・物理的作用によって、衝撃を与えること。
他の物事にインパクトを及ぼす影響。
「刺激」の意味
「刺激(しげき)」とは、「人や動植物に作用して何らかの反応を生起させること」を意味しています。
「刺激」は、「生体の知覚や心の状態に作用して反応を生むこと」を示す言葉なのです。
「刺激」は、「外的な働きかけで景気・行動などの勢いを強める」といった意味合いも持っています。
「刺激」の使い方
「刺激」は、「動植物の感覚・感情などに働きかけて反応を引き起こすもの」を意味して使うことができます。
「刺激」は、「ヒト・動物の反応や現象を生起させること全般」を指して使用されています。
さらに「金融緩和で経済を刺激する」や「挑発的なポーズで人を刺激する」など、「ある事象・行動の勢いを活発にするきっかけをつくる」の意味合いで使う使い方もあります。
「刺激」を使った例文
・『膝関節などを強く刺激すると、セルフコントロールできない反射が起こります。』
・『欲情や暴力を刺激するだけの映画を見ると、一時的に興奮はしても後で時間を損した気分になります。』
・『友人が司法試験に現役合格したという知らせを聞いて、僕も勉強のやる気が刺激されました。』
・『デフレスパイラルで物価が下がり続けている状態では、何らかの強力な景気刺激策が必要となります。』
・『軍事力を拡大して他国を刺激することによって、軍事衝突が起こる緊張が高まってしまいます。』
「刺激」の類語
「刺激」の類語には、以下の言葉があります。
・『誘引(ゆういん)』……ある反応を誘い出すこと。誘って引き出すこと。
・『煽る(あおる)』……ある行為をするように刺激したり挑発したりすること。
・『触発(しょくはつ)』……ある刺激を与えて何かをしようとする意欲を奮い起こさせること。
・『インプット』……何らかの反応を導き出すための刺激・情報の入力。
「刺激」の対義語
「刺激」の対義語には、以下の言葉があります。
・『反応(はんのう)』……外部からの刺激・呼びかけなどを受けたときに起こる現象・言動。
「影響」の意味
「影響(えいきょう)」とは、「ある物事が他に働きかけて何らかの変化・反応を生み出すこと」を意味しています。
「影響」とは、「ある事柄が持つ作用が、他に働くことで起こる変化および結果」を意味している言葉です。
「影響」の表現には、「関係性が疎遠ではなくて密接であること」や「影と響き」などの現代ではほとんど使われていない古語的な意味もあります。
「影響」の語源は、「影が形に従い、響きが音に応じる」にあります。
「影響」の使い方
「影響」は、「他の物事に作用して変えること」の意味合いで使用されています。
「影響」には、「ある対象の持つ力が、他を変えて何かの結果を生じること」を意味して使う使い方があります。
例えば、「失恋した影響なのか、ご飯がのどを通りません」などの文章で使用できるのです。
「影響」を使った例文
・『大雨で近隣の河川が氾濫した影響で、道路も公共交通機関も機能が麻痺しています。』
・『私がこんなに歪んだ性格になってしまったのは、私を否定し続けた親の影響なのだと思っています。』
・『政治的な影響力を恣意的に行使しているように見える与党の大物政治家が、メディアに叩かれていました。』
・『プラスチックのゴミが自然環境に悪い影響を与えているということで、プラ袋などが有料化されたのです。』
・『暴力的なシーンが多い映画は、子供の精神発達に好ましくない影響があるという通説は大勢の親に信じられています。』
「影響」の類語
「影響」の類語には、以下の言葉があります。
・『結果(けっか)』……ある行動(選択)や反応によって導き出されるもの。
・『刺激(しげき)』……人間・動物の生体の感覚に働きかけてある反応を生じさせるもの。
・『インパクト』……他の人や物事を変えてしまうような衝撃・影響力。
・『感化(かんか)』……人の心理的・性格的な面に働きかけて、振る舞い・価値観を変化させること。
「影響」の対義語
「影響」の対義語には、以下の言葉があります。
・『無影響(むえいきょう)』……他の物事に作用して反応を導くような影響がないこと。
まとめ
「刺激」と「影響」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「刺激」と「影響」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。
