この記事では、「委しい」と「詳しい」と「精しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「委しい」とは?
「委しい(くわしい)」とは「詳しいの同義語・異字体」ですが、一般的な文章や表現としてこの漢字表記が使われることはまずありません。
「委しい」の意味は「詳しい」と同じく、「細かい部分までよく意識を向けていること+細部まで掘り下げて調査していること」になります。
「委しい」の意味として、「細かな部分までよく認知していること」も挙げられます。
「委しい」の「委」という漢字には、「こまかくてくわしい」の意味があります。
その意味で解釈される「委」の漢字を使った漢熟語として、「委細(いさい)・委悉(いしつ)・委曲(いきょく)」などがあります。
「詳しい」とは?
「詳しい(くわしい)」とは、「細部に至るまで細かく知っていること」や「ある物事について細かい内容まで精通していること」を意味している言葉です。
「詳しい」という表現は、「ある対象の細部にまで丁寧な注意やリサーチが行き届いていること」といった意味合いも備わっています。
「詳しい」は「くわしい」と読む漢字の表現としては、もっともポピュラーで一般的なものになります。
「詳しい・くわしい」は常用漢字表にも記載されている漢字と訓読みであるため、どんな文章や場面によっても問題なく使用することができます。
「詳しい」の「詳」の漢字を用いた言葉として、「詳細(しょうさい)・詳解(しょうかい)・詳説(しょうせつ)」などを挙げることができます。
「精しい」とは?
「精しい(くわしい)」とは、一般的な文章や場面ではまず使われることがない、「詳しいの同義語・異字体」になります。
「精しい」という漢字表記の言葉も、「詳しい」と同じで「ある物事について細かい部分まで知悉(ちしつ)していること」を意味しています。
「精しい」の表現には、「非常に細かい場所に至るまで意識・注意・リサーチが行き届いているさま」という意味合いもあります。
「精しい」の「精」には「純粋である・努力や精力」などのいろいろな意味がありますが、ここでは「精確・精細」などで使われる「細部まで行き渡っている」の意味になります。
「委しい」と「詳しい」と「精しい」の違い
「委しい」と「詳しい」と「精しい」はどれも、「物事の細かいところまで注意や調べが行き渡っていること+細部までよく知っているさま」を意味している同義語です。
この3つの漢字表記に意味の違いはありませんが、常用漢字表に記載されている読み方は「詳しい」だけであり、一般的な文章や場面で「委しい・精しい」が使用されることはほぼないという点が大きな違いになります。
「委しい・精しい」は、「委細・精細などのニュアンスや含み」を持たせたい場合の文学的表現としてのみ用いられる言葉なのです。
まとめ
この記事では、「委しい」と「詳しい」と「精しい」の意味・漢字表記の違いについて分かりやすく説明しましたがいかがでしたか?「委しい」と「詳しい」と「精しい」はどの漢字表記であっても、「ある対象・物事について細かなところまで精通している」という同じ意味を持っている同音・同義の異字体になっています。
「委しい」と「詳しい」と「精しい」の違いについて詳しく調べてみたい人は、この記事の解説を参考にしてみてください。