この記事では、「品行」と「品性」と「品格」の違いを分かりやすく説明していきます。
同じ漢字がはいる言葉を、見極めていきましょう。
「品行」とは?
品行(ひんこう)とは、行いが立派なこと。
他人から文句を言われないくらい、正しく行動している様子です。
まじめに働いていること、規則正しい生活を送っている人に対して使います。
そもそも品行は「品行方正」という四字熟語に、ゆかりのある語句です。
品行方正とは清い佇まいや、真っすぐな心がけをあらわす用語です。
乱れていなくて、礼儀正しい姿を示しています。
そのため、ひたむきで健気なこと。
人としてあるべき行動を「品行」といいます。
「品性」とは?
品性(ひんせい)とは、知的でエレガントなこと。
大人の教養を感じさせてくれる、品のある性格をあらわします。
小さな子のお手本となるような模範的な人柄や、人となりを伝える言葉です。
その人の奥から漂ってくる雰囲気、これまで築いてきた経験がなしえるものが品性になります。
品性は「模範とすべき性格や所作」をあらわしています。
そうした資質がある人を「品性がある人」や「品性を感じさせる人」といいます。
反対にガッカリさせられる人には「品性のかけらも無い人」や「品性が疑われる人」と呼びます。
「品格」とは
品格(ひんかく)とは、威厳や気品のこと。
気高くて尊敬に値するような、上品さをあらわします。
ブランドや肩書きにふさわしい行動や態度、あり方をさす言葉です。
イメージを崩さないもの、それ相当の器がある人に使います。
そもそも「品格」の「格」とは、地位や身分のこと。
その人の果たすべき役割やポジションを指しています。
そのため品格で置かれている状況をわきまえた、大人の対応を取っていること。
または地位や役職にふさわしい上品さをあらわします。
「皇室の品格」や「女王の品格」など、ロイヤルファミリーにも用いられています。
「品行」と「品性」と「品格」の違い
・疑わしく思うのは「品性」
「品行」と「品性」と「品格」はいずれも、上品で気品のある振る舞いに使われます。
この場合の上品というのは、品位を忘れないこと。
嗜みやルールが分かる、大人を指しています。
「品行」は道義的に、ふさわしい行動を伝える言葉です。
そして「品性」も優れた性格や品をあらわします。
また「品格」は格のある佇まいを指します。
いずれも同じように使えますが「下品なこと・礼儀作法がなっていない」という否定的なニュアンスも含んでいるのは「品性」です。
「品性を疑う」や「品性がない」と用います。
人としてあるべき行いをしていない場合に使われています。
まとめ
「品行」と「品性」と「品格」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも上品で風格のある行動や性格をあらわします。
品行とは規律正しいこと。
品性は人としてあるべき気品のこと。
品格は地位にふさわしい佇まいです。
品性は「品性を疑う」や「品性のかけらもない」など、下品な言動をたしなめる場合にも使われます。