「倫理」と「道徳」と「道理」の違いとは?分かりやすく解釈

「倫理」と「道徳」と「道理」の違い生活・教育

この記事では、「倫理」「道徳」「道理」の違いを分かりやすく説明していきます。

「倫理」とは?

「倫理(りんり)」とは、「人が社会環境や集団生活において他者と共に生きていくために守らなければいけない善悪の判断基準」を意味しています。

「倫理」という日本語は英語の「ethics」を翻訳する過程でつくられた言葉であり、「倫理」「倫」「人としての善悪をわきまえた道」「理」「もっともであると思える物事の正しい筋道・道理」を意味しています。

「倫理」は、「外部の社会・組織などから普遍的あるいは他律的な行為規範(善悪の区別)として与えられたもの」を指し示しています。


「倫理」の例文

・『倫理が欠如したその人の生き様に共感できず、非常識な振る舞いには怒りを覚えました』
・『他者と共に同じ社会や組織で生きていく以上は、最低限の倫理観を身に付ける必要があります』


「道徳」とは?

「道徳(どうとく)」とは、「人として踏み行うべき正しい道・善悪を見極める考え方」を意味しています。

「道徳」という言葉は、古代中国の道家の思想家である老子の「道・徳の言葉」に由来しています。

「道徳」というのは、「教育・人間関係・人生経験を通して身につけた内在的な善悪の判断基準」「自己の内面にある自律的な規範意識」を示している表現なのです。

「道徳」の例文

・『学校の授業で学んだ道徳だけでは不十分であり、実際に他者との関わりの中で善悪の分別を学ぶ必要があります』
・『彼の悪事を断固として許さない優れた道徳心は、周りの友人知人にも好ましい影響を及ぼしています』

「道理」とは?

「道理(どうり)」とは、「ある物事について考える際の正しいロジックや筋道」を意味しています。

「道理」という言葉は、「話に筋が通っていてもっともな正論であるさま」を示しているのです。

また「道理」には、「人として当然にそうすべきである」といった意味合いも備わっています。

「道理」の例文

・『道理から外れている自己中心的な主張には耳を傾ける価値はないと判断しています』
・『意見が対立している相手の話を丁寧に傾聴していると、その言い分にも道理があることが分かりました』

「倫理」と「道徳」と「道理」の違い

「倫理」「道徳」「道理」の違いを分かりやすく説明します。

「倫理」「道徳」はどちらとも「人間として実践すべき正しい道・善悪の判断基準」を意味していますが、「道徳」「倫理」よりも「内発的な心の中にある規範・ルール」を意味している点が異なります。

「道徳」「大人・社会からの教育や自分の人生経験からつちかった人として守るべき内的(自律的)な善悪の規範」ですが、「倫理」「社会・帰属集団に適応するために守らなければならない外部から与えられる他律の規範」を示している違いを挙げられます。

「道理」「倫理・道徳」とは異なり、「物事を考察する時の正しい論理・筋道・正論」を意味している違いがあります。

まとめ

この記事では、「倫理」「道徳」「道理」の意味の違いを分かりやすく解説しましたがいかがでしたか?
「倫理」「道徳」「道理」の意味の違い・例文について詳しく調べたい場合は、この記事の内容をチェックしてみてください。