「思い入れ」と「思い出」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「思い入れ」と「思い出」の違い生活・教育

この記事では、「思い入れ」「思い出」の違いを分かりやすく説明していきます。

「思い入れ」と「思い出」の違い

「思い入れ」「思い出」の違いについて紹介します。


「思い入れ」と「思い出」の使い方の違い

「思い入れ」は、「その人の強い気持ちが込められている物や出来事」に使われます。

その人が特に大切にしている物、強く印象付いている物などのことを言います。

「思い出」は、「その人が今まで生きてきた記憶がよみがえること」に使われます。

過去の経験が記憶に残り、今になってよみがえることを言います。


「思い入れ」と「思い出」の英語表記の違い

「思い入れ」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「attach to」で、「装着する」「くっつく」=「思い入れ」というニュアンスです。

“I emotionally attach to this uniform.”
(私はこのユニフォームには感情的な思い入れがあります)
2つ目は「have strong feelings for」で、「強い感情を持つ」=「思い入れ」というニュアンスです。

“I have strong feelings for this book.”
(この本には強い思い入れがある)
「思い出」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「memory」で、「記憶」「思い出」という意味、「メモリー」と日本語にもなっています。

“I think back to memories of my younger days.”
(若かったころの思い出を振り返る)
2つ目は「reminiscence」で、「回想」「追憶」「思い出」という意味です。

難しい単語ですが、海外では日常的によく使われます。

“We reminisced about our childfood in our hometown.
(故郷で私たちの幼かったころを思い出した)

「思い入れ」の意味

「思い入れ」「おもいいれ」と読み、以下の4つの意味があります。

1つ目は「深く気持ちを寄せること」という意味で、物や場所などにその人の強い気持ちが込められていることを言います。

2つ目は「演者がセリフなしに表情や仕草で感情を表すこと」という意味で、芝居で表現するやや大げさな動作のことを言います。

3つ目は「思惑、見込み」という意味で、文章中で使われる表現です。

4つ目は「人気」という意味で、人が何かに対して興味を持つことを言います。

上記に共通するのは「あることに対して特別な思いがある」という点です。

「思い」「あらゆる心の動き」という意味、「入れ」「中にはいりこむ」という意味、「思い入れ」「あらゆる心の動きがこめられること」になります。

「思い入れ」の使い方

「思い入れ」は、「特別な気持ちが込められていること」に使われます。

「思い入れがある・ない」「思い入れが強い・弱い」などと使われます。

非常に主観的な表現であり、人によって「これは特別だ」と思うこともあれば、ほかの人にとっては「何も興味がない」と思うこともあります。

「思い入れ」を使った例文

・『ドライブ中にラジオを付けたら思い入れのある曲が流れてきた』
・『この競技場は私が初優勝したとても思い入れの深い場所だ』
・『この小説は、私が悩んでいる時に読んで勇気づけられた思い入れの深い作品だ』
・『このぬいぐるみには思い入れがあるので捨てたくない』
・『独り暮らしをして、いろいろと思い入れのある町とも今日でお別れだ』

「思い入れ」の類語

「愛着(あいちゃく)」
「なれ親しんだものに対して深く心が引かれること」という意味です。

「ブサイクな人形だが、飾っているうちに段々と愛着がわいてきた」などと使われます。

「執着(しゅうちゃく)」
「一つのことに心をとらわれてしまい、ずっと離れられないこと」という意味です。

「彼女は別れた彼氏に今でも執着し続けている」などと使われます。

「思い入れ」の対義語

「吹っ切る(ふっきる)」
「心の中のわだかまりや、ためらいの気持ちを捨て去ること」という意味です。

「失敗することへの不安が吹っ切れて、自信をもって行動できるようになった」などと使われます。

「思い出」の意味

「思い出」「おもいで」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「過去に自分が見たり聞いたりした事柄を記憶によみがえること」という意味で、過去の出来事を後になって思い返すことを言います。

2つ目は「あることを思い出すきっかけになるもの」という意味で、忘れているものを思い出せるように記録しておくことを言いま。

「思い出」「思い出す」の名詞形で、様々な過去の記憶が脳裏に現れることを表す言葉です。

「思い出」の使い方

「思い出」「過去に自分が経験した事柄が記憶によみがえること」に使われます。

「思い出がある・ない」「思い出深い・深くない」など、名詞として使われ、動詞形は「思い出す」になります。

「思い入れ」「気持ちがこもっていること」に対して、「思い出」「過去の記憶」という意味で使われる表現です。

「思い出」を使った例文

・『小学校の頃の思い出は、いつも先生に叱られていたことだ』
・『部活は良い思い出ばかりではないが、なつかしさはある』
・『友達と当時流行っていたことの思い出話をして盛り上がった』
・『高校時代は進学校だったせいもあり、特に思い出はない』
・『旅の思い出に絶景ポイントで記念写真を撮影した』

「思い出」の類語

「回顧(かいこ)」
「遠い昔に過ぎ去ったことを思い起こすこと」「後ろを振り返ること」という意味です。

「学生時代に打ち込んでいたことを回顧する」などと使われます。

「彷彿(ほうふつ)」
「よく似ているものを見て、そのものを思い浮かべること」という意味です。

「彼のバッティングはベーブ・ルースを彷彿させる」などと使われます。

「思い出」の対義語

「忘却(ぼうきゃく)」「すっかり忘れ去ること」という意味です。

「この街に住んでいたころのことなどとっくに忘却した」などと使われます。

まとめ

今回は「思い入れ」「思い出」について紹介しました。

「思い入れ」「強い気持ちがこめられていること」「思い出」「過去の出来事がよみがえること」と覚えておきましょう。