この記事では、「賛同」と「同意」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「賛同」と「同意」の違い
「賛同」とは、他の人がいったことに対して、よいと受け入れて、自分もそうであるとすることです。
「同意」とは、他の人がいったことに対して、自分も同じであると示すことです。
どちらの言葉にも、おなじと、ともにという意味がある漢字である「同」が使用されており、2つの言葉が持っている意味は似ています。
しかし、まったく同じ意味の言葉なのではありません。
「同意」は、他の人がいったことを好ましいことだ、ふさわしいことだとし、自分もそうであると示すことをいいます。
同じであるというと意味を持つ言葉です。
「賛同」は、他の人がいったことを好ましいことだ、ふさわしいことだとし、それを認めて、自分もそうであるとすることです。
「同意」よりも、認めるという意味が強く含まれています。
また、「同意」は同じ意味という意味も持っていますが、この意味は「賛同」にはありません。
「賛同」と「同意」の使い方の違い
意見を認めて、自分も同じとすることについて「賛同」を使用します。
他の人の意見に自分も同じと示すことについて「同意」を使用します。
認めるという意味が含まれているときは、特に「賛同」が使われます。
「賛同」と「同意」の英語表記の違い
「賛同」は英語で“approval”や“endorsement”や“support”と表現をします。
「同意」は英語で“agreement”や“consent”や“approval”と表現をします。
「賛同」の意味
「賛同」とは、他の人がいったことに対して、よいと受け入れて、自分も他の人がいったことと同じ考えを持っているとすることです。
ダメージジーンズというものがあります。
これは、破れていたり、穴が開いていたりするジーンズのことです。
着古して破れたり穴が開いたりしたのではなく、もともとこのようなデザインになっています。
ダメージジーンズには、いろいろな意見があるようで、おしゃれとしてよいと認めている人もいれば、穴が開いていてだらしがないと思っている人もいるようです。
おしゃれでよいとしている人は、ダメージジーンズを穿いている人のことを認めていることになります。
ダメージジーンズを穿いている人は、おしゃれだと思って穿いています。
穿いている人のことを認めている人も、おしゃれだと思っているので、ダメージジーンズを穿いている人と同じ考えを持っていることになります。
他人の考えと自分の考えを認めていて、さらに同じといえるのです。
このように、意見や考えなどを認めて、自分もその意見や考えと同じものを持っていることを意味する言葉です。
プラスチックストローを廃止しようという動きがでてきています。
プラスチックストローの代わりとして利用され始めているのが、紙のストローです。
また、繰り返し使えるステンレスストローもあります。
マイストローを持ち歩くのは面倒と考える人もいる一方、環境のことを考えてマイストローを持ち歩こうと考えている人もいます。
マイストローを持つことをよいと認めて、自分もマイストローを持ち歩くことがよいという考えを持っているということができます。
ある意見を認めて、自分も同じ意見を持っています。
こういったことを意味する言葉です。
「賛同」の使い方
他の人が考えたことや心に思うことを認め、同じ考えや心に思うものを持っていることについて使用をします。
単に認めるというだけでなく、同じであるという意味が含まれています。
ある人とは別の考えを持っていること、認められないことについては使用しません。
「賛同」を使った例文
・『賛同のコメントが多く寄せられた』
・『賛同してくれる人を探しています』
・『賛同してくれる企業が見つかり、製品化ができました』
・『賛同してくれた人のおかげです』
「賛同」の類語
「同意」「賛成」が類語です。
「賛成」には、他の人の考えや心に思うことを認めることという意味があります。
「賛同」の対義語
「反対」が対義語です。
他の人の考えや心に思うことを認めない、同じ考えを持っていないという意味です。
「同意」の意味
「同意」とは、他の人がいっていることに対して、自分も同じことを考えていると示すことです。
病院で検査や処置を行うときには、「同意書」を書くことがあります。
これは、医師が説明した内容を認めました、検査や処置をすることを認めますと、患者が意見を示すものです。
たとえば、医師から手術の説明があったとします。
どうしてこの手術をする必要があるのか、どのようなことをするのか、どのようなリスクが考えられるかなどが説明されます。
説明に対して、自分は納得できた、それを受け入れることができたとしたら、「同意書」にサインをします。
これは、相手がいっていることを認め、自分も同じ考えを持っているということができます。
そして、同じであることを態度で示しています。
猫を拾ってきたとします。
家族と暮らしている場合は、猫を飼っていいと家族が認めないと、家で飼うことはできません。
家族が猫を飼うことをよしとし、猫を飼おうと家族も思っているなら、それは「同意」といえます。
また、同じ意味という意味も持っている言葉でもあります。
「同意」の使い方
他の人の考えや心に思うことを、自分も同じであると示すことについて使用をします。
同じではないときには使用しません。
「同意」を求められる場面は、日常生活のさまざまなところにあり、日常的に使われている言葉です。
「同意」を使った例文
・『家族の同意を得ることができた』
・『保護者の同意が必要です』
・『同意してくれる人がいた』
・『お互い同意することができた』
「同意」の類語
「賛同」「賛成」が類語です。
「同意」の対義語
「反対」が対義語です。
まとめ
同じであるという意味を持つ2つの言葉で、2つの言葉 が持っている意味はほぼ同じです。
しかし「同意」は同じであるという点に焦点が当たっているのに対し、「賛同」は認める、同じという意味を持つ点が違います。