この記事では、「なのに」と「だのに」の違いを分かりやすく説明していきます。
「なのに」とは?
「なのに」は「しかし」という意味があります。
前に述べた事柄と、相容れない事実を言いたいときに用います。
ある一面を伝えて、それと反対の事象を伝えたいときの「つなぎ言葉」になります。
もともと「なのに」は「それなのに」の「それ」を取った省略語です。
このような事情のため当然そうなるべきなのに、予想とはちがう事柄が起こったときに使います。
例えば「寒くなると思って、上着を持って出かけた。
なのに気温は上がり、上着は手持ちぶさたになった」のように使います。
前と後、反する接続詞が「なのに」です。
「だのに」とは?
「だのに」は「けれども」という意味があります。
ある事柄と、反した内容を伝えるときの言葉です。
もともと「だのに」は「それだのに」の「それ」を取った言い回しです。
この場合の「それ」は前述した事柄をあらわします。
「のに」は逆接の意味があるので、前とは反対のことを述べたい場合に使います。
また「だのに」は動詞に付け加えて、用いることもあります。
「呼んだのに、誰も出なかった」や「慌てて逃げ込んだのに、捕まってしまった」がその一例です。
「なのに」と「だのに」の違い
どちらも矛盾する事柄を、結びつける場合に使います。
「なのに」と「だのに」の違いを、分かりやすく解説します。
・よく使うのは「なのに」
「なのに」と「だのに」は逆接の意味があります。
そのため「冬なのに、夏のように暑い」そして「冬だのに、夏のように暑い」と用います。
どちらも前に起きた事柄からは、想像できないことを言いたい場合に用います。
常識では考えられないこと、前述した事象からは想像もつかないことを引き合いに出すときに用いるのが、「なのに」と「だのに」です。
どちらも「しかし」や「けれども」そして「とはいえ」と同じ意味があります。
ただ大きな違いもあります。
「なのに」は現代文で使われる言葉です。
そして「だのに」は、現代ではあまり見かけない言葉です。
一説によると「だのに」は江戸時代に好まれて用いられていた接続詞です。
また現代でも沖縄など南の暖かい場所で「だのに」が使われています。
ただ多くのエリアでは「だのに」を日常生活で用いることは少ないです。
そのため「だのに」と「なのに」の使い分けで迷ったら「なのに」を利用するのがおすすめです。
まとめ
「なのに」と「だのに」の意味をおさらいしました。
どちらも逆接としての役割があります。
「けれども」や「しかし」と同じニュアンスをもっています。
すでに伝えた事柄と、相容れない内容を伝えたい場合に用います。
矛盾していること、つじつまの合わないことです。
「なのに」は現代文でよく使われる用語です。
一方で「だのに」は古めかしいため、現代文ではあまり使われない言葉です。
ニュアンスの差を知って、日本語の力を養っていきましょう。