降った後の雪を指す言葉として「着雪」と「積雪」があります。
気象情報やニュースでも耳にする言葉ですがどのように違うのでしょうか。
今回は、「着雪」と「積雪」の違いについて解説します。
「着雪」とは?
「着雪」とは、「降ったあと建物や車体など物体に付着した雪」を指す言葉です。
「着雪」の使い方
寒い冬に空から雪が降ると空中で溶けることなくどんどんたまっていきます。
多くの幸は海や地面に降りますが雪に含まれる水分が多いと建物や車体表面に付着することがあります。
このような「空から降ってきて物体にはりつき付着する雪」が「着雪」です。
「着雪」は風の強い日によく見られる現象です。
風であおられた雪はまっすぐ地面に落ちず横や斜めに向かって落下していきます。
大きな建物や車体などにぶつかる形で落下する雪の量が増えるため地面に落ちることなく物体に付着してそのまま残る「着雪」が増えます。
「着雪」はとても危険な存在です。
気温が上がって建物や車体の表面が温まってくると「着雪」が溶けてはりつく力がどんどん弱くなり最後には落下してしまいます。
高層ビルなど高い位置にできていた「着雪」が落下すると事故になる恐れがあり大変危険です。
列車にとって「着雪」はとても厄介な存在です。
雪の日でも高速で走行する列車にはたくさんの「着雪」が発生しますが付着した雪は車両にとっては何の役にも立たないおもりであり雪のせいで車両のシルエットが変わってしまうことで燃費も悪化します。
安全な運行のためにはこまめに「着雪」を除去しなければならず運航コストがかさみます。
ライフラインにとっても「着雪」は悩みの種です。
電話線や送電線に「着雪」が付着すると重みで切断されてしまう恐れがあります。
「着雪」ができると水道管は凍結しやすくなりトラブルが像化します。
「積雪」とは?
「積雪」とは、「地面に降って積もった雪」を指す言葉です。
「積雪」の使い方
「人が手を加えることなく地面に降り積もった雪」を指して「積雪」といいます。
雪かきをして積み重ねたような人の手が加わったものは「積雪」ではありません。
「積雪」は気象用語として使われている言葉で気象上の定義としては「地面の半分以上を雪が覆い隠している状態」を指します。
「積雪」葬った後の雪の状態を指す言葉なので降る雪の量に強く影響されますが地面の状態などにも影響されるため、地面が日光で温まっているときなど降雪量が多くても「積雪」が少ないこともあります。
「着雪」と「積雪」の違い
「着雪」と「積雪」は「降ったあとの雪がたまっている場所」です。
建物外壁や車両の車体など地面以外の場所にくっついている状態でたまっている雪を「着雪」、地面に降り積もってたまっている雪を「積雪」と表現します。
雪そのものには違いがありませんが水分を多く含む雪のほうが「着雪」が発生しやすく「積雪」は雪の状態に左右されることなく発生します。
「着雪」の例文
・『車体の着雪を手作業で払い落とす』
・『着雪の重みで送電線が切れてしまった』
「積雪」の例文
・『積雪が少ないのでスキー場が営業できず困っている』
・『積雪のせいでバスが遅れている』
まとめ
「着雪」と「積雪」はどちらも降ったあとの雪を指す言葉ですがたまり方や状態の違いで区別されます。
気象災害にもつながる言葉なので雪の日に混乱しないように意味を正確に覚えておきましょう。