この記事では、「強力」と「強大」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「強力」と「強大」の違い
「強力」は「きょうりょく」とも「ごうりき」とも読むことができますが、ここでは「きょうりょく」と読んだときの意味について解説をします。
「強力」とは、力や働きかけが強いことです。
「強大」とは、強くて大きいこと、強くて勢力の程度がはなはだしいことです。
どちらの言葉にも強いという意味が含まれていますが、何が強いのかという点で意味が違います。
「強力」の場合は、力や働きかけが強いことです。
ある企業が製造している瞬間接着剤は、瞬時に指がくっついてしまい、指を無理に剥がそうとしても取れないほど、強い力を持っています。
他の接着剤に比べて強い力です。
また、影響力が強い意味もあり、誰かがこうしなさいといったら、多くの人がそれに従うようなら、その人の影響力が強い、つまりその人の発言力が「強力」だということができます。
「強大」の場合は、勢力が強く大きいことです。
強いというよりも、大きいという意味の方を強く持っています。
ある国が周辺の国を侵略して、どんどんと支配下におき、勢いを増してきました。
このように外に向かって力を示していくようなことが「強大」です。
「強力」と「強大」の使い方の違い
力が強いことについて「強力」を使用します。
力が強い、弱いというのは主観によるものが大きいので、人によって何を「強力」に感じるのか異なります。
勢いが大きなことについて「強大」を使用します。
外に勢いを示す集団に対して使うことが多いです。
「強力」と「強大」の英語表記の違い
「強力」は英語でstrong“”や”powerful”と表現をします。
「強大」は英語で“mighty”と表現をします。
「強力」の意味
「強力」とは、力や働きかけが強いことです。
重曹はナチュラルお掃除グッズとして注目されているものです。
重曹は水に溶かすとアルカリ性を示し、酸性の汚れ、たとえば手あか、油汚れ、皮脂などを落とす力があります。
セスキもナチュラルお掃除グッズとして注目されているものです。
重曹と同様に水に溶かすとアルカリ性を示し、手あかや油汚れなどを落とすために用いられています。
重曹とセスキを比べると、セスキの方がアルカリ度が高く、酸性の汚れを落とす力はセスキの方が強く持っています。
これは、セスキの汚れを落とす力が強いということができます。
こういった強さが「強力」です。
吸盤とフックが一体となっている、壁などにくっつけることができる吸盤フックという製品があります。
吸盤フックは、製品によって壁につく強さが違い、何かをフックにかけるとすぐに剥がれてしまうものもあれば、力強くくっついているものもあります。
すぐに壁から剥がれてしまうものは、力が強くない、つまり「強力」ではありません。
引っ張っても簡単に取れないようなものは、くっつく力が強い、つまり「強力」だということができます。
他のものに与える影響力が強いことの意味もあります。
何かをしたことが周囲に大きな影響を与えたとします。
そういったことが「強力」です。
「強力」の使い方
力が強いことについて使用をします。
力が強いと感じられるのは、力が弱いものが存在するからです。
何かと比べるからこそ、弱い、強いということがわかります。
「強力」は、人に対しても物についても使用できる言葉です。
自分を強く守ってくれる人がいたとします。
この人のことを「強力な味方」ということができます。
これは人についてです。
油汚れがコンロにこびりつくと、ちょっとやそっとのことでは落ちません。
この汚れは「強力に付着している」といえます。
これは物についてです。
「強力」を使った例文
・『強力な抗酸化作用を発揮する』
・『強力なカバー力を持つ化粧下地』
・『強力なパンチをくらう』
・『強力な接着力を持っていて簡単にはとれない』
「強力」の類語
「強大」「強い」が類語です。
「強い」には、勢い、力などが他に負けない、体が丈夫などの意味があります。
「強力」の対義語
「弱い」が対義語です。
力が劣っているという意味があります。
「強大」の意味
「強大」とは、強くて大きいことです。
大きいといっても、体積が大きい、心が広い、数や量が多いなど、さまざまなことを指しますが、「強大」が意味する大きいとは勢力についてです。
国や組織などが、その国や組織の外に力を及ぼすようなことについていうことが多くあります。
Aという国が隣のBという国の活動を抑えつけていたとします。
Aの力は非常に強く、BはAに従わざるを得ません。
A国の外に力が及んでいる状態です。
このように外に力を示すような強く大きなことを「強大」といいます。
台風のようなものについても「強大」ということができます。
強くて大きなものは頻繁にやってこないので、天気予報で「強大な台風」という言葉を耳にする機会は少ないのですが、1934年に発生をした室戸台風や1945年に発生をした枕崎台風は「強大」だといわれています。
頻繁にないほど強く大きなことが「強大」です。
「強大」の使い方
強くて大きいこと、特に勢力を指して使用します。
「勢力」とは、他を抑えて支配下におく力のことです。
国や組織などの団体は、外のものを支配下におく力を持っています。
その力が大きければ「強大」だということができます。
個人が強く大きな力を持つことは難しく、国や組織などについて使うことが多い言葉です。
「強大」を使った例文
・『あまりにも強大だ』
・『強大な魔力に立ち向かう』
・『強大すぎてもはや敵はいない』
・『強大なライバルが現れた』
「強大」の類語
「強力」「強い」が類語です。
「強大」の対義語
「弱小」が対義語です。
力が弱く小さいという意味があります。
いつも負けてばかり、10戦10敗のようなチームは「弱小」といえそうです。
まとめ
2つの言葉には「強」という言葉が使用されており、強いという意味を持っていますが、何が強いのかという点で意味が異なります。
また、使われ方も違います。