「徐々」と「段々」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「徐々」と「段々」の違い生活・教育

この記事では、「徐々」「段々」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「徐々」と「段々」の違い

「徐々」「段々」は共に「物事が少しずつ変わっていくさま」を意味する言葉ですが、「徐々」「動作・走行などが少しずつゆっくりと進んでいくこと」を意味しています。

しかし、「徐々」「段々」とは異なり、「季節の段階的な移り変わり」の意味は持っていません。

「徐々」の表現は「はじめはゆっくりしたスピードで、少しずつその動きが速さを増していく」というニュアンスがありますが、「段々」「順番に従ってゆっくり確実に(次第に)変わっていく」のニュアンスになるという違いもあります。

また「徐々」が持っている「動作・挙動などのスピードがゆったりしていて落ち着いているさま」の意味は、「段々」にはないという点も異なっています。

「段々」の言葉そのものが持つ「複数の段がある階段」の意味も、「徐々」にはありません。


「徐々」と「段々」の使い方の違い

「徐々」「人の動作・モノの動きなどが、少しずつゆっくりと変化するさま」を意味して使います。

特に、「はじめはゆっくりした速度なのに、時間が経つにつれて少しずつその速度が増していく」のニュアンスで使う使い方になります。

「段々」「物事がゆっくりとした速さではあるが、順を踏んで着実に移り変わっていくこと」を指示して使われる違いがあります。

そのため、「徐々に体調が良くなってきました」よりも「段々と体調が良くなってきました」のほうが、「確実な段階を踏みながらの体調の回復の程度が大きいニュアンス」になる違いを挙げられます。

また「段々」「階段」という意味の名詞でも使えますが、「徐々」にはそういった階段の意味は全くありません。


「徐々」と「段々」の英語表記の違い

「徐々」の言葉を、英語を使用して表現すると以下になります。

“gradually”……漸次的に少しずつ。

次第に物事が進んでいくさま。

徐々に。

“slowly”……ゆっくりとした速度で。

のろのろと。

漸次的にスピードを上げながら。

徐々に。

「段々」の表現を、英語を用いて表記すると以下になります。

“gradually”……物事が段階的に少しずつ展開するさま。

次第に変わっていく様子。

段々。

“steadily”……着実に・着々と。

ぐんぐんと。

段々。

“day by day”……日に日に。

日毎に。

日が経つごとに。

段々。

“colder and colder”……段々寒くなっていく。

形容詞の比較級をandでつなげて二回繰り返すことで、「段々~する」のニュアンスを表現できます。

「徐々」の意味

「徐々(じょじょ)」は、「人やモノの動作などが、ゆっくりとした速度で変化するさま」を意味しています。

「徐々」という言葉には、「物事が少しずつ変わったり進展したりするさま」といった意味合いが備わっているのです。

「徐々」という表現が持っている意味のニュアンスとして、「はじめはゆっくりとしていて速度・動きが遅いのに、時間が経過するに従ってその速さが少しずつ速くなっていく」という時間経過に合わせた加速感のようなニュアンスがあります。

「徐々」の使い方

「徐々」という言葉は、「物事の動き・人の動作などが、少しずつ遅めのスピードで変わるさま」を意味して使われます。

「徐々」というのは、「はじめの頃は変化・進展のスピードがゆったりとしているのに、時間経過に合わせるようにしてそのスピード感が増していく」といった意味のニュアンスで使う使い方を持っている表現なのです。

例えば、「徐々に飛行機が高度を落としていきました」のような文章で使うことができます。

「徐々」を使った例文

・『自転車で坂道を下っていると徐々にスピードが上がってきて、ブレーキが間に合いませんでした。』

・『ウォーミングアップしたボクサーが、徐々にスパーリングで本気のパンチを打ち始めました。』

・『暖かい季節になってきたので、山頂に積もっていた雪や氷が徐々に解け始めています。』

・『部活の先輩が引退したので、新学期を迎えて徐々に新しいメンバーに入れ替わってきています。』

・『年を取って急に体を動かすと筋肉を傷めるリスクがあるので、徐々に体を慣らしていく必要があります。』

「徐々」の類語

「徐々」の類語には、以下の言葉があります。

・『ゆっくりと』……物事が変わったり動いたりするスピードが遅いさま。

・『漸進的(ぜんしんてき)』……一気に進行するのではなく、ゆるやかに少しずつ進むこと。

・『緩やかに(ゆるやかに)』……急ぐことなく、物事・動作が変わったり進展したりする速度がゆったりしているさま。

「徐々」の対義語

「徐々」の対義語には、以下の言葉があります。

・『即座(そくざ)』……時間をかけずに、その場ですぐに。その場でただちに。

・『直ちに(ただちに)』……ゆっくりと時間をかけるようなことがなくすぐに。

「段々」の意味

「段々(だんだん)」とは、「事態や物事の状態が、時間の経過に合わせて段階的に変わっていくさま」を意味しています。

「段々」という表現は、「物事の決まった順番に従うような形で、ゆっくりとした速さで着実に(確実に)変わっていく」の意味合いを持っているのです。

「段々」の言葉には、「複数の段で構成される階段」というシンプルな意味もあります。

「段々」の使い方

「段々」という言葉は、「物事が時間が経つのに従って、ゆるやかに変化あるいは進展していくこと」を意味して使うことができます。

「段々」の表現は、「物事・事態・状態が着々と(次第に)変わっていくこと」の意味合いで使う使い方になります。

また「階段」を指して「段々」という言葉を使うこともあります。

「段々」を使った例文

・『段々と冬の寒さが和らいできて、風が春の息吹を伝えています。』

・『高校生になると段々と数学の内容が難しくなってきて、授業が分からない生徒も増えてきます。』

・『段々、彼女のことが好きなのかどうなのか分からない気持ちになってきました。』

・『コロナ禍の影響が出て、飲食業・ホテル業の倒産件数が段々と増えてきています。』

・『段々畑の周囲には美しい自然の草原や山野が広がっていて、時にウサギも出てきます。』

「段々」の類語

「段々」の類語には、以下の言葉があります。

・『次第に(しだいに)』……物事の状態や内容などが、すぐにではなく少しずつ変わるさま。順々に物事が進展すること。

・『刻々(こっこく)』……時間が経つに従って確実に。次第に時間が流れるさま。

・『着実に(ちゃくじつに)』……不安定さがなく、確実に物事が進むさま。

「段々」の対義語

「段々」の対義語には、以下の言葉があります。

・『急速(きゅうそく)』……物事が非常に速いスピードで動いたり変わったりすること。

・『すぐに』……何かが変わったりしたりする場合に、時間をかけることなく直ちに。

まとめ

「徐々」「段々」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「徐々」「段々」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。