「事項」と「項目」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「事項」と「項目」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「事項」「項目」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「事項」と「項目」の違い

「事項」とは、ある物事の中のひとつひとつの事柄のことです。

「項目」の主な意味は2つあります。

1つめは、物事をある基準に従って区分けしたときのひとつひとつのものです。

もう一つは、事典や辞典などの見出し語です。

どちらの言葉にも、ひとつひとつの事柄という意味が含まれていますが、それぞれの言葉が指していることは違います。

「事項」の場合は、ある物事があって、その中のひとつひとつを指しています。

いくつかやらなければならない仕事があるとき、何を優先すべきか考えて行うと効率的です。

仕事はある物事ということができます。

その中で、コピーをとる、連絡をする、資料を作成するなど、いくつかの事柄があります。

これらひとつひとつが「事項」で、その中で優先させるべきものが「優先事項」になります。

「項目」の場合は、見出しの意味です。

また、基準に従って分けたときの、ひとつひとつのことも意味しています。

生活をするためにかかる費用には、食費、光熱費、衣料品費などがあります。

大きくまとめると生活費になりますが、食事にかかるもの、水道やガスにかかるものなど、基準に従ってわけたものが、食費や水道光熱費になり、それらひとつひとつが「項目」になります。


「事項」と「項目」の使い方の違い

ある物事の一部となっている、ひとつひとつの事柄を指して「事項」を使用します。

箇条書きにできるようなものについて使用することが多いです。

基準に従ってわけたひとつひとつのものを指して「項目」を使用します。

基準がなく、適当にわけたものには使用しないことが一般的です。


「事項」と「項目」の英語表記の違い

「事項」は英語で“matters”と表現をします。

「項目」は英語で“head”“item”“clause”と表現をします。

「事項」の意味

「事項」とは、ある物事の一部になっている中の、ひとつひとつの物事のことです。

ウイルスの蔓延や感染を防ぐために、マスクの着用、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンスなどが推奨されています。

これらをまとめて、ウイルスの蔓延・感染を防ぐための物事ということができます。

そして、その中の一部になっているものが、マスクの着用であり、手洗いであり、ソーシャルディスタンスです。

このひとつひとつを指して「事柄」といいます。

公園には、犬を散歩させるときの「注意事項」の看板が設置されていることがあります。

そこには、リードをつける、フンは持ち帰る、周囲の歩行者に気を配る、飛びつかせない・吠えさせないなどが記載されています。

リードをつける、フンは持ち帰るなどは、「注意事項」の一部です。

このひとつひとつの事柄を指していいます。

何かの物事の一部になっているもののことで、単独で存在しているものについてはいいません。

「事項」の使い方

ある物事の中の一部になっている、ひとつひとつのことを指して使用をします。

1つで存在しているものについてはいいません。

1つしかなければ、物事の一部とはいえないからです。

つまり、複数の何かがあるときに使うことになります。

「事項」を使った例文

・『注意事項をよく読んでください』
・『必要な事項を確認する』
・『帰宅したら化粧を落とすことが最優先事項だ』
・『配慮しなければならない事項』

「事項」の類語

「項目」「費目」が類語です。

「費目」には、使い方によってわけた費用の名前という意味があります。

「事項」の対義語

対義語はありません。

3「項目」の意味

「項目」には、主に2つの意味があります。

1つめは、ある基準に従って物事を区分けしたときのひとつひとつです。

仕事に必要な資料には、A社との取引に関係するもの、新しい企画について、得意先の連絡先、過去に開発した商品など、いろいろなものがあります。

A社との取引に関係するもの、新しい企画についてなどは、ある基準に従ってわけたときの名前です。

A社と取引についていえば、これまで交わした契約についてなど、一定の基準に従ってわけることになります。

新しい企画については、これまでにあがった案、これまでの進行状況についてなど、ある基準に従ってわけることになります。

A社との取引についての資料と、新しい企画についての資料は、基準に従ってわけることができ、基準があってそれに従って区分けをすれば一緒にはなりません。

このようにわけたひとつひとつのことについていいます。

もう一つの意味は、事典や辞典などの見出し語です。

辞典にもいろいろな種類がありますが、国語辞典の場合だと、バラ、梅、母の日、ツバメ、タケノコなど、いろいろな言葉が掲載されています。

これらはバラバラに並べられているのではなく、あ行の言葉、い行の言葉などのわけ方に従って並べられています。

もし、バラバラに並んでいたら、探したい言葉を見つけるのが難しくなってしまいます。

あ行、い行などは、太文字でページの端などに記載されています。

これが見出し語です。

この見出し語のことを指して「項目」といいます。

世界人名大辞典というものがあります。

これは、外国人の名前を載せている辞典で、サン・テグジュペリ、エリザベス1世、チャーチル、コロンブスなどの名前が載っています。

これらの名前は適当な順番で並んでいるのではなく、何年から何年、「あ」から始まる名前、アメリカの人物など、一定の基準に従ってわけて並べられていて、見出しとなっています。

この見出しのことを意味する言葉です。

「項目」の使い方

一定の基準に従ってわけたひとつひとつのことを指して使用します。

「項目」を使った例文

・『項目を立てる』
・『チェックにあてはまった項目を改善する』
・『5つの項目にあてはまった』
・『見るべき項目』

「項目」の類語

「事項」「費目」が類語です。

「項目」の対義語

対義語はありません。

まとめ

物事の中のひとつひとつの事柄を意味する言葉ですが、「事項」はある物事の一部、「項目」は見出しのことで、やや意味が異なります。