人に渡すものをあらわす言葉として「贈答品」と「手土産」と「贈呈品」があります。
これらはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「贈答品」と「手土産」と「贈呈品」の違いについて解説します。
「贈答品」とは?
「贈答品」とは、「行事や祝い事の際に贈られる品物」を意味する言葉です。
一般的には「感謝の気持ちを込めて贈られる品物」を指して「贈答品」といいます。
日本には古くから冠婚葬祭のと気に食べ物や酒などを渡す習慣がありましたが、そのような「風習や習慣に基づいて対価を受け取ることなく渡される品物」が「贈答品」です。
現在では風習や習慣に基づいて送られる品物だけでなく日頃の感謝やお礼の気持を込めて贈られるギフトやプレゼント全般を指して「贈答品」と表現します。
「贈答品」は一方的に渡されるものであり対価としての金銭や品本引き換えることはありませんが、受け取った品物に対するお礼として贈ってくれた人に対し「贈答品」を贈ることはよくあります。
「贈答品」の例文
・『かさばらず軽くて高級なお茶や海苔は贈答品の定番だ』
・『付き合いが広いので贈答品を頂く機会も多い』
「手土産」とは?
「手土産」とは、「人を訪ねる際に持参する土産物」を意味する言葉です。
旅先などで記念に購入する品物を「土産物」といいますが、その他にも人におすそ分けするようなちょっとした贈り物も「土産物」に含まれます。
宅配便で送ったり人に頼んで渡したりしてもらうのではなく「訪問時に手でもって運んでいく土産物」を「手土産」と表現します。
「手土産」の多くは食べ物であり相手に渡すだけでなく一緒に味わうこともある気軽な贈り物です。
「手土産」を訪問先で相手と一緒に食べることを「おもたせ」といいます。
人と接触する際に持っていく相手の喜ぶような情報や権利を例えて「手土産」と表現することもあります。
「手土産」の例文
・『せんべいは手土産の定番だ』
・『謝罪のために訪問するときは手土産のランクで誠意が計られる』
「贈呈品」とは
「贈呈品」とは、「功績をたたえたり記念したりする際に贈られる品物」を意味する言葉です。
「贈呈品」の「贈呈」は本来「人に物を贈ること」を意味する言葉です。
「贈呈品」という場合も身分や立場の上下は関係なく贈られる品物を指しますが、一般的には優勝者に対してトロフィーを渡したり受賞記念にメダルがプレゼントされたりなど「かしこまった場面で渡されるご褒美」のことを「贈呈品」と表現します。
「贈呈品」の例文
・『国民栄誉賞の際に渡される贈呈品は人によって異なる』
・『栄養をたたえる贈呈品が次々に届く』
「贈答品」と「手土産」と「贈呈品」の違い
「贈答品」と「手土産」は日常的な付き合の中で贈られたり渡したりする品物ですが「贈呈品」はあらたまった席や権威ある人など記録に残るようなきちんとした贈り物に対して使われる言葉です。
「贈答品」は贈り物全般を指す言葉であり「手土産」と「贈呈品」も広義では「贈答品」に含まれます。
まとめ
「贈答品」と「手土産」と「贈呈品」はどれも贈り物を表しますが贈られる理由や受け渡しの相手に違いが見られます。
誰だ何をどんな理由で贈ったのかに注目してふさわしい言葉を判別してください。