「ノウハウ」と「ナレッジ」と「知識」。
ビジネスでよく使われている、これらの非常に似ている3つの言葉の違いはお分かりでしょうか。
言葉は適切に使い分けしたいものです。
この記事では、「ノウハウ」と「ナレッジ」と「知識」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ノウハウ」とは?
「ノウハウ」とは、英語の“know”と“how”を日本語読みしたものです。
「知る」「やり方」の意味があり、そこから日本では、生産的な仕事において、繰り返し伝えられ、長い年月で蓄えられた仕事のやり方や商品の生産方法のこととされています。
企業では社外秘で、会社独自の仕事のやり方を示しています。
生産性の高い仕事を進めるやり方や、成果を上げるための知識も「ノウハウ」と呼びます。
「ノウハウ」の例文
・『前職で身につけた仕事のノウハウを、新しい会社でも活かしていきたい』
前職で長い期間働いていたのであれば、経験に基づいた専門的知識や技術が得られているでしょうから、それらが「ノウハウ」です。
・『役に立つノウハウは、一朝一夕では身につかない』
これまでに多くの人が試行錯誤を繰り返し完成させた「ノウハウ」である知的財産は、すぐには身に付きません。
「ナレッジ」とは?
「ナレッジ」は、英単語の“knowledge”(知識)を日本語で読んだものです。
「ナレッジ」は、読書などで得られた知識のことですが、仕事上でよく用いる「ナレッジ」は、企業独自の価値を生み出す財産としての情報です。
経営で優れた「ナレッジ」があれば、他社に引けを取らない自社の強みとなります。
組織では一人ひとり持つ知識や経験は異なるので、「ナレッジ」の社内での共有が、新しい利益へとつながります。
「ナレッジ」の例文
・『働き方の改善の為、社内でナレッジをためて、皆が閲覧できるようにし、生産性を上げたい』
「ナレッジ」を共有することで、作業効率を上げ、会社の利益の増大が期待できます。
・『多くの従業員の日々の経験によって、ナレッジは蓄積される』
企業で言う「ナレッジ」は、明文化できるものだけでなく、長期に渡る経験により得ていく事もあります。
「知識」とは
「知識」は、情報を知り、その意味を熟知することです。
ものを知るだけでなく、それをどこで用いるのかを理解できていれば「知識」が役に立ってきます。
また、ある未知な体験をする事で、新しい領域を認識できますが、初めて体験した物事の仕組みを言語化できるまで理解すれば、それは「知識」となります。
「知識」の例文
・『運用に関しての知識を身につけ、資産を効率よく増やしたい』
豊富な知識の習得は、資産を増やすことにもつながり、身を助けます。
・『知識習得の為には体験が大事だ』
机上だけでなく、あらゆることを身を持って体験するのが知識を得るために重要になります。
「ノウハウ」と「ナレッジ」と「知識」の違い
「ノウハウ」は、「ナレッジ」を用いて有効に活用したものです。
「知識」には「ナレッジ」のように、多くの人達の体験した蓄積による知識という意味は含まれていません。
また、「ナレッジ」は、他の人の情報として読むことができますが、「ノウハウ」は、自身のオリジナルな体験に基づく仕事のやり方です。
「ナレッジ」と違い「ノウハウ」は、自身が長期に渡り組織に属し、あらゆることを体験していく中で初めて得られる独自性の高いものとなります。
まとめ
このように、似た意味を持つ3語ですが、調べてみると違うことをそれぞれ指していると気づくでしょう。
それぞれの言葉の意味を理解した上で、ビジネスで適切に活用したいものです。