この記事では、「発覚」と「判明」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「発覚」と「判明」の違い
「発覚」とは、隠していたことが明るみにでることです。
「判明」とは、はっきりとわかること、あきらかになることです。
隠していたことが明るみにでることと、はっきりとわかることは意味が似ているようでも、「発覚」と「判明」の意味は同じなのではありません。
たとえば、迷子になって身元がわからない子がいたとします。
いろいろ調べた結果、どこの誰だかわかりました。
これは、はっきりしていなかったことがはっきりしたことで、「判明」になります。
身元を隠していたのではありません。
ある人が不正を働きました。
不正を人に知られたくないので隠していました。
しかし、あるときに隠していたことが他の人にわかってしまいました。
不正の事実がはっきりしたので「判明」といいそうですが、隠していたことが表にでてくることなので、この場合は「発覚」になります。
隠していたことなのか、そうでないのかという点が大きな違いです。
「発覚」と「判明」の使い方の違い
隠していたことが表だったところにでてくることには「発覚」を使用します。
はっきりとわかることには「判明」を使用します。
2つの言葉の大きな違いは、隠れていたことがなのか、そうでないのかという点です。
「発覚」は隠れていたものが明るみになることにだけ使用をし、はっきりとわかるという意味ではありません。
「発覚」と「判明」の英語表記の違い
「発覚」は英語で“detection”と表現をします。
「判明」は英語で“turned out”と表現をします。
「発覚」の意味
「発覚」とは、隠していたことが公の場、表立ったところにでてくることです。
ある人には隠し子がいました。
隠し子とは、世間に隠している子のことです。
当然、周りの人たちは知りません。
あるとき、隠し子の存在が明らかになりました。
隠していたことが世間に出てきたことで、こういったことを「発覚」といいます。
ある有名人とある有名人が交際をしていました。
交際が世間に知られると大騒ぎになると考え、交際のことは公にしませんでした。
しかし、あるとき2人でいる場面を写真に撮られてしまい、交際していることが世間に知られました。
これも、隠していることが世間にでてきたことなので「発覚」といいます。
「発覚」の使い方
隠していたことが表だったところに出てくることに使用をします。
単にはっきりすることではなく、「隠していた」という意味が含まれています。
隠すのは、後ろめたいことがあるためという場合が少なくありません。
そのため、「発覚」は悪事や陰謀が表にでてくることに使われることが多いです。
しかし、「肺炎だったことが発覚した」のように、意図して隠していたのではないことが明るみにでることにも使用されています。
「発覚」を使った例文
・『A氏とB氏の交際が発覚した』
・『不正を働いていたことが発覚した』
・『がんであることが発覚をし、入院をすることになった』
・『交際が発覚をして周囲を驚かせた』
「発覚」の類語
「ばれる」「露見」「露呈」が類語です。
どの言葉にも隠していたことが明るみにでるという意味があります。
「発覚」の対義語
隠し続けるという意味を持つ言葉が対義語になります。
その意味に近い言葉が「秘密」です。
「判明」の意味
「判明」とは、明らかになること、はっきりとすることです。
「明らか」には、はっきりとして疑う余地がないという意味があります。
肺炎といっても原因はさまざまあり、よくあるものは肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎クラミジアなどの微生物によるものです。
何が原因なのかは、熱が出る、咳がでるといった症状だけではわかりませんが、検査をすることではっきりとします。
最初は何なのかわからない状態でしたが、その後にたとえばインフルエンザ菌であったなどはっきり特定できました。
こういったことを指して「判明」といいます。
最初にはっきりしていなかったのは、隠そうという意図があってのものではありません。
「判明」の使い方
明らかになること、はっきりわかるようになることについて使用をします。
もしかしたら、AかもしれないしBかもしれないといった曖昧なものではなく、はっきりとAだ、Bだなどいえるようなことをいいます。
「判明」を使った例文
・『以前に出会っていたことが判明した』
・『新種の鳥であることが判明した』
・『この物質が害を及ぼすことが判明した』
・『そばにクマがいたことが判明をして驚いた』
「判明」の類語
「明らか」「わかる」が類語です。
「判明」の対義語
「曖昧」「うやむや」が対義語です。
まとめ
「発覚」は隠していたことが明るみにでること、「判明」は明らかになること、はっきりわかることで、似ているようでも意味は違う言葉です。