この記事では、「保証」と「保障」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「保証」と「保障」の違い
「保証」と「保障」は、「ほしょう」と同じ読み方で、一見、同じ意味を持つように思われがちですが、実は明確な違いがあります。
明確な違いとして、重要なのが対象にするものです。
「保証」の場合、対象にするものは、「人や物」となります。
そのため、「保証」は、人や物に対し責任を持つといった意味となります。
一方、「保障」が対象にするものは、「状態や状況」です。
実際、特定の物体などを対象にすることはなく、少し対象物が不明確な場合もあります。
「保障」は、様々な状態や状況を国または社会全体で守ることといった意味となります。
このように対象とするものが大きく異なる「保証」と「保障」について、より詳しくご説明させて頂きます。
「保証」と「保障」の使い方の違い
「保証」と「保障」の使い方の違いとしては、約束する場合は「保証」。
守る場合は「保障」と考えるとわかりやすくなります。
例えば、保証人や保証書などは、何かに対し約束するといった意味で使用されています。
一方、人権の保障や社会保障などは、国や自治体、社会などがこれらに対し守るといった意味で使用されています。
意味が分かれば、「保証」と「保障」の使い方の違いも明確に分かってきます。
「保証」と「保障」の英語表記の違い
「保証」は英語表記で、〈品質・借金の〉 a guarantee、〈商品の品質の〉 a warranty、〈確約〉 【形式ばった表現】 an assurance、〈担保〉 【形式ばった表現】 (a) securityです。
「品質を保証する」は、guarantee [warrant] the quality 《of an article》。
「保障に立つ」は、stand surety [guarantee] for somebodyとなります。
「保障」は英語表記で、security; guaranteeです。
「社会保障」は、social security。
「平和の保障」は、a guarantee of peace。
「老後を保障する」は、guarantee the livelihood of the elderlyとなります。
「保証」の意味
間違いない、大丈夫だと認め責任を持つといった意味に加え、債務者、つまり、借金している人が債務を履行しない場合、変わって債権者、つまり、お金を貸している人に債務を履行する義務を負うといった意味を持つ「保証」。
一般的には、人や物に対し責任を持つ、約束するといった意味で用いられています。
「保証」の使い方
人や物に対し責任を持つ、約束するといった意味として用いるため、「保証」の使い方としては、「保証人」、「保証書」、「保証責任」、「品質保証」、「保証金」、「保証期間」、「保証契約」などがあります。
「保証」を使った例文
・『突然、洗濯機が壊れ困ったが、保証期間内だったので無償で修理してもらうことができて助かった。』
・『先生に「志望校に合格できる保証はない」と言われたが、あきらめきれないため、頑張ることに決めた。』
・『親から、絶対に誰かの借金の保証人だけにはなってはいけないと言われています。』
・『家電などの保証書は大切なので、なくさないように保管しています。』
「保証」の類語
「保証」の類義語は、「約束する」をはじめ、約束するといった意味を持つ「誓う」、責任を持って受け持つといった意味を持つ「引き受ける」、絶対に良いものであるという意味を持つ「太鼓判を押す」などがあります。
「保証」の対義語
「保証」の対義語はありませんが、「保証人」の対義語は、「本人」です。
「保障」の意味
ある状態がそこなわれることのないように、保護し守ることといった意味を持つ「保障」。
社会や国が状況、状態を保護する、守るといった意味となります。
「保障」の使い方
保護する、守るといった意味から、「保障」の使い方としては、「社会保障」、「日米安全保障条約」、「人権の保障」などがあります。
「保障」を使った例文
・『日本は社会保障制度が充実しているほうだと思う。』
・『今後、日本人の老後の生活保障は大丈夫だろうか。』
・『今後、様々な形で人権の保障を認めていかなければならない。』
・『日米安全保障条約は、日本にとって大切な条約の1つである。』
「保障」の類語
「保障」の類語には、危険などから守るといった意味を持つ「保護」、事故や過失がないことといった意味を持つ「無事」、防備することといった意味を持つ「警備」や「セキュリティ」などがあります。
「保障」の対義語
「保障」の対義語はありません。
まとめ
以上が「保証」と「保障」の違いです。
対象にするものが全く異なる「保証」と「保障」。
なんとなく、使い分けるのではなく、明確に使い分ける必要のある言葉となるため、注意が必要です。