「内示」と「辞令」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「内示」と「辞令」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「内示」「辞令」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「内示」と「辞令」の違い

「内示」「辞令」の違いは、「人事・転勤に関連する情報について、口頭(言葉)で非公式に伝えるものなのか文書(書面)で公式に伝えるものなのかの違い」にあります。

また「内示」「正式に(公に)通知する前の段階で、本人や関係者などに内々に伝えておく」といったニュアンスを含みます。

それに対して「辞令」は、「転勤・昇進・左遷などの人事について、正式に雇っている人に文書で伝えること」「いったん交付すると後で取消し・変更ができない会社組織の正式な通知」を含意しています。


「内示」と「辞令」の使い方の違い

「内示」は、「非公式に口頭で知らせる場合」「表立った形ではなく内々に伝える場合」に使われる表現です。

「辞令」「文書を介する形で公式に伝える場合」「社内の掲示板などに公開して命令を告げる場合」に使われる違いがあります。

「内示」は、「人事異動・転勤などの情報を、非公式に言葉で本人および関係者に伝える場合」に使います。

一方、「辞令」のほうは「文書を用いて、人事異動・転勤などの情報を本人および関係者に通達する際」「人事異動・役職の任免に関する決定事項を記した正式な文書を指す時」に使うのです。


「内示」と「辞令」の英語表記の違い

「内示」を、英語で表現すると以下になります。

“private notification”……個人的な通知・内々の関係者への連絡。

内示。

“unofficial notification”……非公式の通知・正式に決定まではしていない内容の連絡。

内示。

「辞令」を、英語を用いて表現すると以下になります。

“an official written notification”……公式に書かれた通知書。

辞令。

“a letter of appointment”……会社・組織における役職の任命書。

辞令。

“diplomatic remarks”……外交的・社交的な決まり文句。

社交辞令。

「内示」の意味

「内示(ないじ)」とは、「会社・官庁・団体などにおける非公式な内輪の通達」「文書ではない口頭による非公式の連絡・通達」を意味しています。

「内示」は、「会社などの組織団体における人事関連情報を、事前に本人・関係者に知らせておくこと」を示しているのです。

「内示」の使い方

「内示」という言葉は、「会社・役所などの組織で、口頭のみによる連絡・知らせ」を指して使用されます。

具体的にいうと、「内示」「人事異動・転勤・昇進昇給の情報を、事前に内々で本人(関係者)のみに限って通知すること」を意味して使用するという使い方になります。

「内示」を使った例文

・『会社で営業部の課長に昇進するとの内示を受けました。』

・『まだ内示の段階なので、人事について正確なことは分かりません。』

・『昇進であれば良かったのですが、栄転とは名ばかりの左遷に近い内示でした。』

・『責任の重い役職に昇進するとの内示を受けて、身が引き締まる思いです。』

・『内示された人事の情報は、原則として口外してはならないという不文律があります。』

「内示」の類語

「内示」の類語には、以下の言葉があります。

・『告示(こくじ)』……ある情報・内容について、ある程度広くそれを伝えて教えること。

・『通知(つうち)』……ある情報・意思・事柄について、連絡して知らせること。連絡したことが分かる形で、表立って知らせること。

・『布告(ふこく)』……一定以上の広い範囲の人々・公衆に対して、法令・制度などの情報を広く告げて知らせること。

「内示」の対義語

「内示」の対義語には、以下の言葉があります。

・『公示(こうじ)』……ある情報を内々に関係者だけに伝えるのではなく、誰にでも分かるように公にして一般的に広く知らせること。

「辞令」の意味

「辞令(じれい)」というのは、「会社・役所などの組織で、雇っている人に対して文書を交付して人事を命じること及びその文書」を指示しています。

「辞令」とは、「いったん出されると後で取消し・変更ができない」「会社人事に関する決定事項を伝える正式な文書」のことなのです。

また「辞令」の意味として、「他者・外国と対応する時の言葉」「(社交辞令のように)人に応対する時のある程度定型化された言葉」もあります。

「辞令」の使い方

「辞令」は、「会社・役所における、人事に関する公式の知らせおよび人事異動を命じる正式な文書」の意味で使われます。

また「社交辞令・外交辞令」の熟語で使われるように、「人や外国に対応する時の定型化された言葉」という意味合いでも使用可能です。

「辞令」は、「辞令が出る・辞令を受ける・人事異動の辞令・社交辞令・外交辞令・辞令を出す・辞令を受け取る」などの用法で使う使い方があります。

「辞令」を使った例文

・『サラリーマンとして働いている以上、人事の辞令には従うしかありません。』
・『多くの部下に慕われていた上司に、降格の辞令が出たと聞いて一同は驚きました。』
・『自分の実力以上の役職に抜擢される辞令を受け取って緊張しています。』
・『彼女の調子の良い言葉はいつも社交辞令なので、真剣に受け取るとがっかりします。』
・『外交辞令の裏にあるその国の真意を推測するのがインテリジェンス(諜報)の役割です。』

「辞令」の類語

「辞令」の類語には、以下の言葉があります。

・『命令(めいれい)』……「こうしなさい、ああしなさい」「これをしてはならない」とかいった形で命じること。上位者が下位者に指示して命じること。

・『正式な人事(せいしきなじんじ)』……原則として変更できない文書を用いて通達される、決定された人事の内容。

・『お世辞(おせじ)』……本音・本心が別であっても、相手を喜ばせるためにあえていう褒め言葉・おべっか・ご追従(ごついしょう)。「社交辞令」などの対義語に当たります。

「辞令」の対義語

「辞令」の対義語には、以下の言葉があります。

・『内示(ないじ)』……「辞令」とは違ってまだ人事が正式に決定していない段階で出される、人事異動に関する内々の本人への通知。

まとめ

「内示」「辞令」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「内示」「辞令」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。