「断固」と「断然」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「断固」と「断然」の違い生活・教育

この記事では、「断固」「断然」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

断固と断然の違い

「断固」とは、態度がはっきりとしているさま、周囲の意見や状況に左右されないさまです。

「断然」とは、態度がはっきりとしているさま、他のものと比べてはっきりとした違いがあるさまです。

どちらの言葉にも、態度がはっきりとしているさまという意味があり、この意味では同じになります。

しかし、「断然」には、他のものと比べてはっきりした違いがあるさまという意味があり、これは「断固」にはない意味です。

他のものと比べてはきりした違いがあるとは、たとえば2つのチームがサッカーの試合をしていて、試合残り時間があと1分で、一方は10点獲得、もう一方は0点だった場合、10点獲得しているチームが勝つことははっきりしています。

このようなことを「チームは断然リードしている」のようにいいます。

ずばぬけているという意味合いがある言葉です。


断固と断然の使い方の違い

態度がはっきりしているさまには、「断固」でも「断然」でもどちらでも使うことができます。

たとえば、「私は断固反対だ」ということも、「私は断然反対だ」ということも可能です。

はっきりとした違いがある、ずば抜けているという意味では「断然」を使用します。

「この製品の方が断然ラクだ」のように使用することができ、この場合はある製品とある製品を比べていて、一方の製品の方がずば抜けてラクなことを意味しています。

「この製品の方が断固ラクだ」とはいいません。


断固と断然の英語表記の違い

周囲の意見や状況に左右されないことは、固い決意ということもできます。

その意味では「断固」を英語で“firm”と表記をします。

決然としたということもでき、その意味では“determined”となります。

「断然」「断固」と同じで英語では、“firm”“determined”と表記をします。

断固の意味

「断固」とは、態度がはっきりとしているさま、周囲の意見や状況に左右されないさまのことです。

ある人がアメリカに旅行をしようと考えました。

しかし、周囲の人たちは、英語ができないのに大丈夫か、アメリカは危険なのではないか、スリにあわないかなど、いろいろな意見を口にし、旅行に反対をします。

周囲ではさまざまな意見がされているけれども、それに影響を受けずに旅行に行こうとする態度は「断固とした態度」ということができます。

このように、態度がはっきりしていることを「断固」といいます。

断固の使い方

周囲の意見や状況に左右されない、はっきりとした態度について使われます。

高校受験をするときには、A校がいいのではないか、B校がいいのではないかなど、親や教師などが意見をすることが少なくありません。

受験をする本人はA校がいいと思っていたけれど、周囲の意見を聞いてB校に変えた場合、その態度は「断固」としているとはいえません。

周囲の意見に影響を受けてしまっています。

周囲が何と言おうと、どのような状況であろうと、態度がはっきりしていることに「断固」を使用します。

断固を使った例文

・『断固とした態度をとる』
・『選手は断固として不正を否定した』
・『何といわれようと断固として拒否します』
・『断固とした処置を行う』
・『断固として意見を変えない』

断固の類語

「断然」「きっぱり」が類語です。

「きっぱり」には、はっきりした態度という意味があります。

断固の対義語

「あやふや」が対義語です。

物事がはっきりしないという意味があります。

断然の意味

「断然」とは、態度がはっきりとしているさま、他のものと比べて並外れているさまのことです。

また、打消しを伴って強く否定する意味もあります。

断然の使い方

態度がはっきりしているさまの意味では、「断然反対だ」のように使用をします。

周囲の意見や状況に左右されない意味が含まれています。

他のものと比べて並外れているさまでは、「断然彼が優れている」のように使用をします。

複数人がいて、その中でも彼がずばぬけて優れている意味になります。

否定を伴う使い方では、「断然認めない」のような使い方をします。

「ない」という打消しの意味の語が使われていて、打消しの語は下に伴います。

この場合は、強い否定を表しています。

断然を使った例文

・『断然これを買った方がいい』
・『断然人気の商品です』
・『コンビニでペットボトル飲料を買うよりも、断然マイボトルです』
・『断然おいしいと話題』
・『断然と拒否する』

断然の類語

「断固」「きっぱり」が類語です。

断然の対義語

「あやふや」が対義語です。

まとめ

態度がはっきりしている意味は、どちらの言葉も同じになります。

違いは「断然」には、他のものと比べてはっきりした違いがあるさまの意味と、否定の語を伴って強く反対する意味が含まれている点です。