この記事では、「大体」と「大抵」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「大体」と「大抵」の違い
「大体」と「大抵」の言葉はどちらも「ほとんど・おおかた」の意味を持っていますが、「大体」には「大抵」が持っていない「約・おおよそ」や「本来は・元々は」の意味がある違いを指摘できます。
逆に「大抵」には、「大体」にない「普段は・いつもは・普通なら」や「一般的な・人並みの・普通の」といった意味合いが備わっている違いがあるのです。
例えば、「大体9時に終わります」の「大体」は「大抵」に言い換えると、「約」から「いつもは」の意味に変わります。
また「大抵の商品では性能が足りません」の「大抵(一般的なの意味)」は、「大体」には置き換えられないのです。
「大体」と「大抵」の使い方の違い
「大体」は「大体の人は賛成するはずです」「大体100メートルの距離です」のような使い方で、「ほとんど」「約・およそ」の意味で使います。
「大抵」も「ほとんど・おおかた」の意味では、「大体」と同じように使えます。
「大体」の「大抵」にない使い方として、「大体怪我をしたのは体調不良だったからです」のように「元々は・本来」の意味でも使うことがあります。
「大抵」のほうは「大抵、家でゲームしています」「大抵の実力では敵いません」のように「普段は・普通は」「人並みの・一般的な」の意味で使えますが、「大体」にはこの用法はありません。
「大体」と「大抵」の英語表記の違い
「大体」を英語で表記すると以下になります。
“most”“almost”(ほとんどの・大体)
“about”(約・およそ・大体)
“from the beginning”(最初から・元々・大体)
「大抵」を英語で表記すると以下になります。
“most”“almost”(ほとんどの・大抵)
“usually”(いつもは・普段は・大抵)
“common”“general”(普通の・一般的な・大抵)
「大体」の意味
「大体(だいたい)」とは、「(多くの人・物がある中で)ほとんど全部・おおかた・ほぼ全て」を意味しています。
「大体」の言葉は、「(数量について)約・およそ」や「元々は・本来は・事のはじめは」といった意味合いも持っています。
「大体」の使い方
「大体」の使い方は「たくさんの人・物がある中で、ほとんど・ほぼ」を意味して、「セール品は大体売り切れました」のような文章で使えます。
「大体」には「大体悪いのはあの人です」のように、「元々・本来・最初」を意味して使う使い方もあります。
また「大体1万円くらいで買えます」の文章で示されるように、「(数・分量について)約・およそ」の意味合いでも使用することが可能です。
「大体」を使った例文
・『大体の生徒は、この参考書を選んで使っているようです』
・『大体12時までに、この場所にもう一度集まるようにしてください』
・『大体のiPhoneには、ロック解除のための顔認証システムが採用されています』
・『大体1キロくらいこの道を進めば、目的地の建物が見えてくるはずです』
・『大体あなたがしっかりしていないから、こんなミスをしてしまうのです』
「大体」の類語
「大体」の類語には、以下のような言葉があります。
「大部分(だいぶぶん)」……人やモノが集まっているある集合(集団)におけるほとんど・大多数。
「約」「およそ」……分量・重さ・距離など数字で表現されるものの大まかな目安。
「元々(もともと)」……原因や理由などをさかのぼった大元。
本来の事情や原因。
「大体」の対義語
「大体」の対義語には、以下のような言葉があります。
「正確(せいかく)」……数字・表現などが確かで正しいさま。
「丁度(ちょうど)」……数字・時間・金額などがきっちりと合っていて正確なさま。
「一部(いちぶ)」……人・物などの全体の中に占める割合が小さいさま。
「大抵」の意味
「大抵(たいてい)」とは、「(多くの人・物がある中で)ほとんど・大部分・おおかた・ほぼ全て」を意味しています。
「大抵」は「ほとんど」の意味以外にも、「普段・いつもは・普通であれば」や「(並大抵の用法も含めて)一般的な・人並みの」といった意味合いを備えています。
「大抵」の使い方
「大抵」の使い方は「大抵の人は我慢できません」の文章で使えるように、「ほとんど・ほぼ全部」の意味合いの使い方があります。
また「大抵」という表現は「いつもならば・普段であれば」の意味で、「土曜の朝は大抵ランニングしています」といった例文で使うことが可能です。
「大抵」には「大抵(並大抵)の技術ではこの製品は造れません」の文章で使われるように、「人並みの・普通の」の意味で使う用法もあります。
「大抵」を使った例文
・『大抵の新入社員が一年持たずに辞めていきます』
・『駅前でカフェを利用する時は、大抵スターバックスでコーヒーを飲んでいます』
・『末期がんの苦痛には、大抵の人たちが耐えることができません』
・『大抵(並大抵)の努力では、司法試験に短期間で合格することはできないのです』
・『休みの日の午前中は大抵、愛犬と一緒に散歩するようにしています』
「大抵」の類語
「大抵」の類語には、以下のような言葉があります。
「ほとんど」「大体」……人や物が集まっている中の大部分。
ほぼ全て。
「いつも」「普段」……日常生活で同じように繰り返していること(繰り返されていること)。
「一般的」「普通」……特別・例外ではなくて人並み(平均的)であるさま。
「大抵」の対義語
「大抵」の対義語には、以下のような言葉があります。
「少数派」「一部」……全体の人数の中で占める人の割合が小さいさま。
多数派や大勢ではないこと。
「非日常」……いつも通りの日常ではないさま。
普段とは違っていること。
「特殊」「例外」……一般的・人並みではなくて特別なさま。
当たり前や常識に当てはまらないこと。
まとめ
「大体」と「大抵」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「大体」と「大抵」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。