「供覧」と「回覧」の違いとは?分かりやすく解釈

「供覧」と「回覧」の違い生活・教育

人に見せることを意味する言葉として「供覧」「回覧」があります。

このふたつは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「供覧」「回覧」の違いについて解説します。

「供覧」とは?

「供覧」とは、「人前に差し出して見せること」を意味する言葉です。


「供覧」の使い方

「供覧」「供」には「提供」「供給」など「持ち物を差し出す」という意味があります。

「供覧」という言葉が表すのは「見せたいものを差し出して見られる状態にした上で広く見てもらうこと」です。

一般的に「供覧」という言葉は「多くの人が自由に見られる状態にすること」という意味で使われます。

人前に差し出して自由に見られる状態にした上で多くの人に見てもらうのが「供覧」なので呼んでほしい文書を掲示板に張り出したり舞台の上に作品を展示して自由に鑑賞してもらったり展示会に製品を出品し興味をもつ人に見物させたりといった「制限を設けることなく多数の人に見せること」を表す言葉です。

見るときも個人がじっくりと見るのではなく見たい人が一箇所に集まって見るなど一対複数の状態で見せるときに「供覧」という表現が使われます。


「回覧」とは?

「回覧」とは、「順番に回してみること」を意味する言葉です。

「回覧」の使い方

ある特定の物品を見たい人が複数いるときに複数人が同時に見るのではなくそれぞれが順番を決めて個別に見ていくこと、もしくは複数の作品を順番に見ることなどまわしたり回ったりしてみることを「回覧」といいます。

内容が書かれた書類を一人が見た後に次の人に渡し次の人は見終わった後別の人に渡す、というように順番に見ていくのが「回覧」です。

町内会で順送りに内容を見るために渡される報告版を「回覧板」といいますが、それぞれの家庭を順番に回して内容を見ていくことから「回覧」という言葉が用いられています。

「回覧」は多くの人が見るけれど一斉に見るのではなく個別に見るときに用いられます。

もう一つの意味として「一人が複数の場所を回ってみること」もありますが、こちらは美術館内を回って作品を次々に見たり観光名所を順番通りに回ってみたりなど「あちこちを見て回ること」という意味合いで使われます。

「供覧」と「回覧」の違い

「供覧」「回覧」の違いは「見るときの人数」です。

「供覧」は人前に差し出された物品を人々が自由に見るのでひとつの物品に対し見る人は複数存在します。

「回覧」はひとつの物品を順送りに見ていくので見る人は個人もしくはごく少数に限定されます。

多くの人が見るのは「供覧」、順番にそれぞれ見ていくのが「回覧」という違いで区別されます。

「供覧」の例文

・『世界的名画を供覧する』
・『来月の予定が掲示板で供覧される』

「回覧」の例文

・『重要書類が会社内で回覧される』
・『町内会の報告書は印鑑を押してから回覧する決まりだ』

まとめ

「供覧」「回覧」はどちらも見ることを意味する言葉ですが見方や見る人数などに違いがあります。

ビジネスではよく使われる言葉なのでそれぞれの言葉が持つ正しい意味と使い方を知っておきましょう。