優れていることや良いことをあらわす言葉として「ベスト」と「ベター」があります。
このふたつはどのように使い分けられているのでしょうか。
今回は、「ベスト」と「ベター」の違いについて解説します。
「ベスト」とは?
「ベスト」とは、「数ある中で最もいいこと」を意味する言葉です。
「ベスト」の使い方
「ベスト」は英語で「良い」を意味する「good」の最上級にあたる「best」のことで「いろいろあるものを比べた結果として最も優れている状態」を指します。
簡単にいえば「頂点」であり「それよりも優れたものや勝るものがない一番上」を表す言葉です。
本来は英語である「ベスト」ですが既に定着しており日本語のように使われています。
もともとの意味から転じて「ベストを尽くす」「自分にとってのベスト」といったような「上限いっぱい」という意味合いで用いられることもあります。
本来は多くの中で一番上、つまり「ナンバーワン」を意味する「ベスト」ですが「頂きにある塊や集団」という意味合いで複数の対象を指す意味で使われることもある表現です。
「ベストテン」や「ベストセラー」というような使われ方では必ずしも「ベスト」の対象はひとつではありません。
「ベストエイト」というような表現も普通に使われていますが、これは本来の意味である一番上という意味ではなく「トーナメントのうち頂上部に位置する準々決勝までに残った選手」という集団を指す表現です。
勝ち進めばベストフォーやベストツーなどさらに上位に進めるので本来の意味である「これよりも上のない頂点」という意味とは異なりますが「かたまりとしての頂点部分」を指す意味合いで使われています。
「ベター」とは?
「ベター」とは、「比較したときにより良いこと」を意味する言葉です。
「ベター」の使い方
「ベター」は英語で「良い」を意味する「good」の比較級「better」のことです。
比較級とは「複数あるものを比べた時に優れていること」を意味する言葉で順列をつけると上位に位置することを表しています。
Aが「ベター」であるとされるとき、必ず比較対象となるBやCが存在します。
比較対象となる物の数に決まりはなく2つのものを比べたときに優れているものも10個を比べた中で他より優れているものも同じく「ベター」です。
「ベスト」と「ベター」の違い
「ベスト」と「ベター」の違いは「絶対性と相対性」です。
「ベスト」は対象のうち最も優れているものを意味する言葉で絶対的な優位性を意味します。
「ベター」ははっきり優れているとは断言できないが他と比べると優っているという相対的な優位性を意味する表現です。
他のものがどうであろうと一番上であることが揺らがないのが「ベスト」、どちらかといえば優れているのが「ベター」という違いで区別されます。
「ベスト」の例文
・『ベストコンディションで試合に臨む』
・『決勝戦でみせたヘディングシュートが今大会のベストゴールに選ばれた』
「ベター」の例文
・『決め手にかける中で何とかベターな選択肢を選ぶ』
・『限られた手段の中、ベターな方法で対処する』
まとめ
良いことや優れていることを表す「ベスト」と「ベター」ですが優れている状況に大きな違いがあります。
何を盛って優れているのか、どの程度の強さで勝っているのかに注意してふさわしい表現を用いてください。