この記事では、「差異」と「相違」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「差異」と「相違」の違い
どちらの言葉にも、複数のものを比べたときに同じではない部分という意味があります。
「差異」の場合は、複数のものを比べたときの相互の違い、差のことを意味しています。
「差」とは、違い、へだたりのことです。
「相違」の場合は、2つのものの間で違いがあることを意味しています。
「相」という漢字には、たがいという意味があり、「互い」とは関係する2者、双方の意味があります。
つまり、「相違」は2つのものが関係していて、その2つの違いのことなのです。
また、「相違」は一定基準があり、その基準と違う部分の意味もあります。
「差異」の場合は基準があるのではなく、あるものとあるものの違いです。
「差異」と「相違」の使い方の違い
複数のものを比べて、それぞれの同じではない部分に着目した場合は「差異」を使用します。
複数のものを比べて、ある基準との違いを表すときには「相違」を使用します。
たとえば、手作業で作られている商品は、柄の配置がわずかに違うなので、それぞれに同じではない部分が出てきます。
このようなそれぞれの同じではない部分については「差異」が使用されます。
競馬では、何頭もの馬が出場をします。
その中には、他の馬とは明らかに違うものがいる場合があります。
他の馬たちを一定の基準とした場合、それと比べたときの同じではない部分のことについて「相違」という言葉を使用します。
「相違」の場合は一定の基準と比べて、という意味が含まれています。
「差異」と「相違」の英語表記の違い
「差異」は英語で“difference”と表記をします。
「相違」も英語で“difference”と表記をします。
「差異」の意味
「差異」とは、複数のものを比べたときに同じではない部分のことです。
「差」という漢字には、ちがいという意味があり、「異」という漢字には、ことなるという意味があります。
「差異」は複数のものを相互に比べています。
神社や寺院の御朱印を集めることがブームになっているようです。
神社と寺院では、御朱印に細かな違いがあります。
たとえば、寺院では梵字が使われることがありますが、神社ではそれはありません。
また、寺院では山号や札所番号などの朱印が押印されますが、神社では山号や札所番号はありません。
このような同じではない部分を指して「差異」といいます。
「差異」の使い方
違いは比べることによって生まれるので、「差異」は複数のものが存在することになります。
「差」はちがい、「異」はことなるを意味する漢字なので、「差異」は複数のものの違いや異なる部分のことを指す場合に使用します。
「差異」を使った例文
・『手作りなのでそれぞれの製品には差異があります』
・『認識に世代間の差違がある』
・『差異を明らかにする』
・『差異が大きくなってしまった』
「差異」の類語
「相違」「違い」が類語です。
「違い」には、異なることという意味があります。
「差異」の対義語
「同じ」が対義語です。
2つ以上のものに区別がないさまという意味があります。
「相違」の意味
「相違」とは、互いの同じではない部分のことです。
「相」という漢字には、たがいにという意味があり、「違」という漢字には、ちがう、異なるという意味があります。
「互い」は双方のことなので、「相違」は2つのものの違いを意味していることになります。
「事実との相違」といった使われ方をしますが、この場合、事実ともう一つの事がある意味が含まれています。
また、事実とされるものが基準となっており、それと比べて同じではない意味も含まれます。
「相違」の使い方
同じではない点を意味するときに使われる言葉です。
梅や桜にはさまざまな品種がありますが、よく目にする梅や桜は薄いピンク色をしています。
そして、花の大きさも似たようなものです。
似ているように見えるので、普段植物に興味を持っていない方は、違いがわかりにくいことでしょう。
しかし、この2つには違いがあります。
梅の開花時期は1月下旬から4月下旬にかけてです。
桜の開花はソメイヨシノの場合は3月中旬から5月上旬にかけてです。
また、梅の花弁は先端が丸くなっていますが、桜の花弁は先端が二股になっています。
このような互いの違いのこと意味して「相違」という言葉を使用します。
「相違」を使った例文
・『意見に相違がみられた』
・『相違している点を調べる』
・『重要な相違を発見した』
・『従来品と新製品の相違点』
「相違」の類語
「差異」「違い」が類語です。
「相違」の対義語
「同じ」が対義語です。
まとめ
2つの言葉はほぼ同じ意味を持っています。
違いは「差異」は複数のものを比べたときの同じではない部分、「相違」は一定の基準と比べて同じではない部分という点です。