「捨てる」と「処分」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「捨てる」と「処分」の違い生活・教育

この記事では、「捨てる」「処分」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「捨てる」と「処分」の違い

「捨てる」「処分」は、「要らないものを放棄する」の意味を持つ点では同義語です。

しかし、「捨てる」よりも「処分」のほうがフォーマルな響きがあり、文語(書き言葉)として使われやすい違いがあります。

「捨てる」には「それまでの関係をやめて見捨てる」の意味がありますが、「処分」にはありません。

逆に「処分」「ルールに反したものに罰を与える」を示唆していますが、「捨てる」にはそういった意味はありません。

また「捨てる」「今まであった希望・熱意などを失う」「俗世の社会を離れる」の意味を持ちますが、「処分」はそれらの意味を持ってない点が異なっています。


「捨てる」と「処分」の使い方の違い

「捨てる」「妻子を捨てる」の用法で使えますが、「処分」「妻子を処分する」という使い方はできません。

「捨てる」には「仕事への情熱を捨てる」の使い方がありますが、「仕事への情熱を処分する」とはいえない違いもあります。

また「処分」「犯罪で逮捕された課長を処分しました」の用法で使われますが、これを「犯罪で逮捕された課長を捨てました」と言い換えることができない違いも挙げられます。

「世俗を捨てる」「命を捨てる覚悟」といった使い方も、「世俗を処分する」「命を処分する覚悟」という用法では使えないのです。


「捨てる」と「処分」の英語表記の違い

「捨てる」を、英語を使って表記すると以下になります。

“throw away”“throw”……投げて放ること。要らないものを投げ捨てる。

“cast”“cast aside”……放ること。不要なものを手放して捨てる。

“abandon”……恋人・配偶者などを捨てる。地位・立場などを放棄する。

“surrender”……希望・思いなどを捨てて諦めること。 「処分」を、英語を用いて表現すると以下になります。

“disposal”……不用品を廃棄すること。要らないものを処分すること。

“punishment”……犯罪・悪事を罰すること。ルールを破った人を処罰すること。

“dealing”……特定のやり方で物事を処理すること。

「捨てる」の意味

「捨てる」の一般的な意味として、「必要性がないものを放棄する」があります。

「捨てる」「妻子を捨てる」のように、「関係性を無いものにして見捨てる」の意味も持っています。

また「捨てる」というのは、「見過ごして放置する」「大切なものを無くす覚悟で事に当たる」などを示唆している表現なのです。

「捨てる」の使い方

「捨てる」の使い方は、「不必要なものとして放棄する」「関係性を断ち切って見捨てる」の意味で使う使い方になります。

また「捨てる」の言葉は、「今まで持っていた熱意・希望などを無くす」「関わらずに放っておく」といった意味で使用することもできます。

「捨てる」の使い方として、「重要なものを失う覚悟で何かをする」「俗世をすてる」の意味合いでも使えます。

「捨てる」を使った例文

・『古いスマホを捨てようとしたら、友人がメルカリに出品すればある程度のお金になると教えてくれました。』

・『子供時代から愛用しているコップを、今も捨てることができずにたまに使っています。』

・『他の就職の選択肢は捨てて、私は考古学の専門家としての道を進んでいくことに決めたのです。』

・『まだこの窮地から助かる可能性はあるので、最後まで望みを捨てずにみんなで力を合わせて頑張りましょう。』

・『妻から捨てられた私は意気消沈して、半年以上の間、うつ病のような状態で苦しんでいました。』

「捨てる」の類語

「捨てる」の類語には、以下の言葉があります。

・『廃棄(はいき)』……ある物事をやめて捨て去ること。

・『手放す(てばなす)』……所有していたものを自分の元から放すこと。所有権を放棄して捨てること。

・『放棄(ほうき)』……投げ捨ててその後は関知しない。自分の権利・役割を捨てて実行しないこと。

・『突き放す(つきはなす)』……自分を頼ってくる人、あるいは必要とする人を拒絶すること。

「捨てる」の対義語

「捨てる」の対義語には、以下の言葉があります。

・『拾う(ひろう)』……落ちているものを手に取る。捨ててあるものを手に入れること。たくさんあるものの中から必要なものをピックアップする。

「処分」の意味

「処分」は、「不必要なものや価値がないものを捨てること」を意味しています。

「処分」には、「不要なものを売り払う・消滅させる」の意味合いもあります。

また「処分」というのは、「ルール・決め事(規約)に違反した人に罰を与えること」を示している言葉としても解釈できます。

「処分」の表現は、「物事を特定のやり方によって処理する」といった意味も持っています。

「処分」の使い方

「処分」は、「庭のガラクタを処分する」のように「要らないものを廃棄する」の意味で使います。

また「処分」の言葉は、「ルール・決まりを破った人を処罰する」という意味合いでも使用できます。

例えば、「経理部で不正を働いていた社員を処分しました」などの文章に応用できます。

「処分」は、「物事をどのような方法で処理するかを決めること」を示唆して使われることもあります。

「処分」を使った例文

・『学生時代に着ていて今では着ることがなくなった洋服を大量に処分しました。』

・『産業廃棄物を法律で定められた方法に従わず勝手に処分すると、違法行為として処罰されることになります。』

・『暴走族に入って非行行為を繰り返していた生徒を厳しく処分することにしました。』

・『犯罪行為をして懲戒処分で退職させられた場合、次の仕事を探すことはかなり難しくなります。』

・『古くなったベッドやソファーを処分するために業者を呼んだら、処分の費用に4万円もかかりました。』

「処分」の類語

「処分」の類語には、以下の言葉があります。

・『廃棄(はいき)』……価値がないあるいは必要がないものを処分すること。

・『片付ける(かたづける)』……散らかっているものを綺麗に整頓すること。

・『懲罰(ちょうばつ)』『懲戒(ちょうかい)』……悪事をした人を制裁するために、罰を与えること。ルール違反をした人を戒めて懲らしめること。

「処分」の対義語

「処分」の対義語には、以下の言葉があります。

・『保管(ほかん)』……書類・物などを紛失しないように、ある場所に取っておくこと。捨てずにしまっておくこと。

・『生産(せいさん)』……価値のないものとして廃棄するのではなく、価値があるものをつくって生み出すこと。

まとめ

「捨てる」「処分」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「捨てる」「処分」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容を読んでみてください。