「昭和恐慌」と「金融恐慌」の違いとは?分かりやすく解釈

「昭和恐慌」と「金融恐慌」の違い生活・教育

この記事では、「昭和恐慌」「金融恐慌」の違いを分かりやすく説明していきます。

歴史について学びましょう。

「昭和恐慌」とは?

昭和恐慌とは、昭和5年に起きた日本国内の不況をいいます。

アメリカの株価大暴落をきっかけに、海を超えた日本にまで、やってきた恐慌をいいます。

このとき日本は、金解禁という措置をとっていました。

金解禁というのは、金の輸出や輸入を積極的におこなうことです。

自由なやり取りをおこなって日本国内の景気が上がっていくことを期待していたのですが、この施策は不発におわります。

国内の金がどんどん世界に流れていき、日本は貧しくなっていきました。

企業の賃下げや倒産があいつぎ、街には失業者があふれました。

東京渡辺銀行など大手銀行が破綻し、国内は暗いムードにつつまれました。


「金融恐慌」とは?

金融恐慌とは、昭和2年に起きた国内の不況をさします。

昭和になってすぐ起こった恐慌のため、昭和金融恐慌ということもあります。

それまでの日本は、第一次世界大戦の恩恵を受けて好景気にめぐまれていました。

戦地となっていたヨーロッパの代わりに物資を大量に輸出して、日本全体が潤っていたのです。

ところが第一次世界大戦が落ちついてヨーロッパの生産体制が戻ると、日本は窮地に追い込まれていきます。

さらに大正12年に関東大震災が発生し、関東地方はがれきの山となりました。

不渡りとなった震災手形があいつぎ、資金繰りに苦しむ企業がたくさん出てきました。

このように不運に不運が重なってしまったのが、金融恐慌になります。


「昭和恐慌」と「金融恐慌」の違い

いずれも良く似ている恐慌です。

「昭和恐慌」「金融恐慌」の違いを、分かりやすく解説します。

・金融恐慌が先、昭和恐慌が後
どちらも第一次世界大戦が終わった後に、日本を襲った不況をいいます。

この時代には立て続けに恐慌といわれる「経済の波」がおしよせました。

ちなみに第一次世界大戦の後にやってきた恐慌は、全部で4つあります。

歴史の流れから見ていくと、戦後恐慌、震災恐慌、金融恐慌、昭和恐慌になります。

そのため時代を追っていくと金融恐慌が最初、昭和恐慌が後になります。

金融恐慌はその前に起こった第一次世界大戦と、関東大震災による影響を受けたものになります。

震災手形の処理がうまく進まず、大勢の預金者が銀行につめかける「取りつけ騒ぎ」が起こりました。

また昭和恐慌では市場の安定を期待しておこなった「金の輸出入」が失敗に終わり、さらなる不況に追い込まれました。

国内の金は不足して、賃金の支払いができない企業が増加。

街には失業者が増えました。

まとめ

「昭和恐慌」「金融恐慌」の違いを分かりやすくお伝えしました。

最初に起こったのが金融恐慌、追いかけるように起こったのが昭和恐慌です。

金融恐慌は震災手形の不具合をめぐって起こりました。

そして昭和恐慌は、アメリカの株価暴落と、金輸出による不況をいいます。

大戦後の不況をおさえておきましょう。