冷蔵庫の奥で知らずしらずのうちに食べ物を腐らせてしまったことはありせんか。
食べ物は腐りかけがいちばんおいしい、なんて風に言われることもありますが、出来るならちゃんと消費期限を守り安心安全においしく食べたいものです。
こうしてものが腐ってしまうことを「腐敗」といいます。
似たような言葉で他にも「腐食」や「劣化」などがありますが、その違いはどういう部分にあるのでしょう。
この記事では、「腐食」と「腐敗」と「劣化」の違いを分かりやすく説明していきます。
「腐食」とは?
腐食という言葉が使われるのは主に金属に対しての場合です。
化学的、生物学的な作用により、金属の外見や機能などが損なわれた物体やその状態のことを腐食といいます。
一番身近なものでいうと「サビ」がそれにあたります。
腐食を引き起こす理由は金属の種類によって様々ですが、大気中の酸素と反応したり水分中のH+と反応したりするなどして表面が溶けてしまったり、サビが出来たり、孔が空いたりしてしまうことを総称して「腐食」と呼びます。
「腐敗」とは?
対して生物や食べ物などの有機物が変質することを腐敗と言います。
ものが腐敗するプロセスは物質の種類や環境によっても変わります。
栄養が損なわれているだけでなく毒や病原菌に汚染されている可能性もあるので、腐敗した食べ物はあまり口にしない方がよいとされています。
納豆やチーズなども菌などによって元の食材を変質させて作られているものですが、これらの有益な反応のことは腐敗ではなく「発酵」と呼ばれます。
「劣化」とは
劣化とはものが物理的変化などにより性能や品質が損なわれ、性能が低下する現象のことを言います。
元の状態と比較して質が悪くなればそれは劣化した状態と言えるので、広い意味で言えば「腐食」も「腐敗」も「ものが劣化していること」だと表すことが出来るでしょう。
劣化はネットスラングとしてしばしば人間に対しても使われます。
「あの人は昔は美しかったがいまはすっかり老け、劣化してしまった」という風に、ひとの衰退を劣化と表すこともあります。
「腐食」と「腐敗」と「劣化」の違い
これらのみっつの言葉は「ものの質が落ちる」という意味では同じですが、使われる対象が違います。
腐食は主に金属に対して使われ、腐敗は食べ物や生物などの有機物に対して使われます。
劣化は物質だけではなく人間の機能的、社会的な機能の低下に対しても使われることがあるので、かなり広い意味を持っていることがわかります。
ただあまりひとに対して「劣化した」などと言うのは言われた方も気持ちの良いものではないので、よく考えて使用していきたいものです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
基本的には腐ってしまったものは元には戻りません。
世界ではフードロスが問題となっています。
食べ物でもなんでも、保存方法をしっかり守り、むやみに廃棄する羽目にならないよう社会全体で気を付けていかなければと思います。