食事作りを意味する言葉として「調理」と「料理」がありますが、どのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「調理」と「料理」の違いについて解説します。
「調理」とは?
「調理」とは、「食用の材料に手を加え食べやすい状態にすること」を意味する言葉です。
「調理」の使い方
「調理」の「調」には「調整」「調律」など「いい具合に整える」という意味があります。
そのままでも使えるが手を加えてさらに好ましい状態にすることを意味する言葉で「調理」は「食材をいい具合に整える」という意味になります。
もう少し正確に説明すると「切ったり刻んだりして形を整え煮たり焼いたりして安全性を整え調味料を加えて味を良くすること」が「調理」です。
基本的には「まともに食べられる状態にすること」を「調理」と呼んでいます。
生でも食べられるが火を通したほうが美味しくなるので焼く、そのままだと固いのでゆでて柔らかくする、食用に問題はないが臭みが強いので香辛料を加えるなど「食事として摂取するのに問題がない状態に加工する作業」が「調理」です。
手を加えて作りかえる作業が「調理」ですが野菜をちぎるだけ、洗って並べるだけなど簡単な作業であっても食材をより良い状態に整えるための手間を加えていれば「調理」と呼ばれます。
「料理」とは?
「料理」とは、「食材に手を加えて食事を作ること」を意味する言葉です。
「料理」の使い方
人が食べるために作られた加工物を「食事」といいます。
栄養摂取や空腹解消のために1日に平均3回摂取する食事を作る作業が「料理」です。
一般的には食材と調味料を組み合わせ専用の器具を使って味や見た目を整え食事を完成させる作業を「料理」といいますが、作業の結果完成した加工物としての食事のことも「料理」と呼びます。
「料理」は人が食べるために適したものをつくり上げることを指すのであまりにも簡単な加工や作業は「料理」に含まれません。
洗って泥を落としただけ、果物の皮をむくだけなど創意工夫が感じられずだれでもできるような加工は「料理」として扱わないのが一般的です。
「調理」と「料理」の違い
「調理」と「料理」はどちらも基となる食材を加工して食べるためのものを作る作業を指す言葉です。
「調理」と「料理」はほぼ同じ意味で使われる言葉ですが「調理」が加工技術を強調した表現なのに対し「料理」は完成した食事の質を強調しているという違いがあります。
切ったり焼いたり味付けしたりといった食材を技術的に加工して食べられるようにする作業を指すのが「調理」、美味しくしたり見た目を良くしたりなど完成品としての食事をより高品質にするために行われる作業が「調理」という違いで区別されます。
「調理」の例文
・『火を通し過ぎないよう手早く調理する』
・『調理済みのレトルト食品で簡単に食事を済ませる』
「料理」の例文
・『料理が趣味なので自炊は苦にならない』
・『生でも食べられるが料理してから食べたほうが美味しい』
まとめ
「調理」と「料理」はとてもよく似た意味の言葉で置き換えてもほぼ問題ありません。
厳密な意味には違いがあるので微妙なニュアンスを重視するならそれぞれの正確な意味を知っておきましょう。