「懲戒処分」と「厳重注意」の違いとは?分かりやすく解釈

「懲戒処分」と「厳重注意」の違いビジネス・就職・転職

不祥事を起こした会社員に対する処分を意味する言葉として「懲戒処分」「厳重注意」がありますが、具体的にどう処分内容が違うのでしょうか。

今回は、「懲戒処分」「厳重注意」の違いについて解説します。

「懲戒処分」とは?

「懲戒処分」とは、「企業が秩序を乱すなどの不祥事を起こした社員に対して下す制裁」を意味する言葉です。


「懲戒処分」の使い方

「懲戒処分」とは簡単にいえば「会社が社員に与えるペナルティ」です。

刑法に違反すると懲役や罰金などの刑事罰が与えられるように「会社の秩序を乱したり不祥事を起こしたりした社員に対して与えられる処罰」「懲戒処分」です。

会社から社員に対して下される「懲戒処分」には「戒告」「譴責」「減給」「出勤停止」「降格」「諭旨解雇」「懲戒解雇」という7津の種類があります。

不祥事の程度や被害の大きさに合わせてふさわしいと思われる「懲戒処分」が下され、社員は不利益を被ることで責任を取ります。

「懲戒処分」は就業規則に定められている内容に基づいて実行されます。

あらかじめ定められている以外の処分内容を実行するのは規則違反に当たります。

会社印だけではなく公務員に対する処罰も「懲戒処分」という言葉が使われます。

公務員の場合は「戒告」「減給」「停職」「免職」の4種類です。


「厳重注意」とは?

「厳重注意」とは、「とても強く注意すること」を意味する言葉です。

「厳重注意」の使い方

一般的に「厳重注意」という表現は正式な処分を下すことなく注意にとどまるときに用いられる表現です。

きつく注意して二度とこのような事態を起こさないよう釘を差しておくのが「厳重注意」であり正式な処分ではなく下される側にも具体的な不利益は発生しません。

上司から部下に対し口頭で注意されるのみで具体的な処罰はありませんが、実際には注意を受けたものに謝罪文や反省文の提出を求めるなどの手続きを持って処分の完了としています。

「厳重注意」は簡単にいえば「処分の一歩手前の段階」です。

不祥事を見過ごすことはできないものの処分を下すほどの重大事ではない場合に取られる手段です。

処罰ではないので言及など具体的な不利益は発生しないものの人事評価を下げられたり出世が遅れたりといった間接的なデメリットは避けられません。

公務員に対しても「厳重注意」という手続きが取られます。

国家公務員法で定められた正式な手続きではなく公的な記録にも残りません。

「懲戒処分」と「厳重注意」の違い

「懲戒処分」「厳重注意」の違いは「処罰であるか否か」です。

「懲戒処分」が降格や減給などはっきりとしたペナルティを伴う処罰であるのに対し、「厳重注意」は口頭での注意にとどまりペナルティもありません。

記録に残る正式な処罰が「懲戒処分」、記録に残らない処罰の一歩手前が「厳重注意」という違いで区別されます。

まとめ

「懲戒処分」「厳重注意」は身近な言葉ではありませんがニュースなどでは耳にする機会も多く社会人として違いを知っておくべき表現です。

万が一にも自分が対象になることのないようにうかつな言動には注意してください。