中立と公平は意味が似ている言葉です。
ただし、微妙に意味は異なっているので、中立と公平にはどのような違いがあるのかを紹介します。
中立とは?
中立とは、偏りがない状態のことをいいます。
紛争や対立があった場合にはどちらにも味方をせずに、第三者の立ち位置にいることです。
思想や立場について使われています。
また、中立は国際法上使われる言葉でもあり、その場合には戦争が発生した際に交戦国双方に対して有する地位を意味しています。
中立国は交戦国による侵犯から免れることができますが、交戦国双方に対して厳正に公平でなければならず援助を行うことは認められていません。
戦争に関して位置付けられている特別なもので、無関係とか交渉を持たないということとは違います。
中立主義とか中立国といった言い方をします。
永世中立国としてよく知られているのはスイスですが、武器を持たない平和主義とは異なります。
中立である領土を守ることは認められているので、武装することもできます。
それから古い時代においては、中立という概念そのものが存在しませんでした。
敵か味方かの2つの選択肢しかなかったからです。
その後、世界貿易が発達するにつれて、中立という概念が生まれていきました。
中立の使い方
中立を使った具体例を幾つか挙げてみます。
・片方だけ擁護する発言をすると、中立を保てなくなってしまう。
・今回の件について中立的な立場でアドバイスをしてくれると嬉しい。
・この国の中立政策は、成功しているといえるだろう。
公平とは?
公平とは、全てのものを同じように扱うことをいいます。
何か判断しなければいけない時や行動する時などに、偏りがないことを表す言葉です。
公平には特定の人をえこひいきしないという意味もあります。
例えば、おやつを分ける時に、一人にだけ沢山あげてしまうことは公平とはいえません。
特定の人が得をしているような状況は、不公平と言ったりもします。
また、公平は「公平に分ける」とか「公平に扱う」「公平性」などと使います。
公平の使い方
公平を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。
・スポーツの大会を開催する際に重要なのは、参加者全員が公平かつ公正に扱われることだと思う。
・彼は長年親の介護を一人で担ってきたのに、遺産を兄弟3人で3等分するのは公平とはいえないだろう。
・チョコレートを沢山もらったので、あなた達5人で公平に分けて。
中立と公平の違い
中立と公平は、偏りがないという意味を持っていることは共通しています。
中立と公平の違いは、その言葉で何を表しているかにあります。
中立は思想や立場を表す言葉です。
それに対して公平は、判断や行動を表している言葉になります。
まとめ
中立と公平は偏らないという意味を持つ言葉です。
中立は思想や立場について、偏りがないことをいいます。
公平は全てものを同じように扱うことをいい、判断や行動に対して使用します。