「脱却」と「脱出」は違う意味の言葉のか。
使い分ける必要はあるのか。
この記事では、「脱却」と「脱出」の違いを説明していきます。
「脱却」とは?
「脱却」には、古い考え方や欠点といったものを捨て去るといった意味があります。
それに加え今の良くない状態から抜け出すことといった意味もあります。
「脱却」の場合、その場から単に立ち去るのではなく状況や考えから離れる考え直すといった意味が強くなります。
そして、そのような状況から抜け出すだけではなく、その後、良い状態に変わることを意味します。
言い換えれば「殻を破る」や「刷新する」「新しい風を吹き込む」などと同じです。
「脱却」の使い方
「脱却」は「脱却する」や「脱却したい」などといった使い方のほか、「脱却を図る」や「脱却させる」「脱却を目指す」「脱却可能」などといった形で用います。
「脱出」とは?
「脱出」には、危険な場所や好ましくない状態から抜け出すといった意味があります。
単にある場所から抜け出す際にも「脱出」が用いられますが基本的には危険な場所や好ましくない状態から抜け出すものとなります。
例えば、狭い場所や穴のなか監獄などです。
そして、「脱出」の場合、「脱出」することができればそれだけで成功です。
後のことは関係ありません。
言い換えれば「脱走」や「逃げ出す」「抜け出す」「逃亡」「エスケープ」などと同じです。
「脱出」の使い方
「脱出」は「脱出する」や「脱出した」などといった使い方のほか、「脱出ゲーム」や「脱出装置」「脱出扉」などといった言葉もあります。
「脱却」と「脱出」の違い
それぞれ抜け出すといった意味を持つ言葉ですがそれぞれの言葉が用いられる状況に違いがあります。
「脱却」は古い考え方や欠点といったものを捨て去るといった意味に加え、今の良くない状態から抜け出すことといった意味もあります。
そして、「脱却」した後は良い状態に変わる意味も含まれます。
それに対し「脱出」は危険な場所や好ましくない状態から抜け出すといった意味となります。
単に抜け出すといった意味で用いられることが多く「脱却」とは使う場面も含まれるニュアンスにも違いがあります。
「脱却」の例文
・『新生活が始めることを機に今までのだらしない生活からの脱却を目指しています』
・『昔ながらの考えでできている体制からの脱却を唱える』
・『成績不振から脱却するため今はとにかく基礎トレーニングにポイントを置いています』
・『彼女いない歴20年から、やっと脱却することができました』
「脱出」の例文
・『最近はやりの脱出ゲームを楽しんできました』
・『やっとの思いで洞窟から脱出することができました』
・『こんなところに脱出用通路があるなんて驚きました』
・『脱出には思っていたよりも時間がかかってしまいました』
まとめ
以上のような違いに注意し「脱却」と「脱出」を使い分ける必要があります。
状況やその後の環境の変化などを踏まえ考えることが大切です。