この記事では、「回収」と「収集」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「回収」と「収集」の違い
「回収」とは、一度配布したものや使用したものを集めることです。
「収集」とは、寄せ集めること、趣味や研究などのためにある物を集めることです。
どちらの言葉にも集めるという意味が含まれていますが、何を集めるのかが異なります。
「回収」が集めるものは、一度配ったものや使ったものです。
「古紙回収」などいいますが、これは古紙という一度使ったものを集めています。
「収集」が集めるものは、趣味や研究などのためのものです。
「切手収集」などいいますが、これは使うことが目的というよりも、趣味で集めているものです。
また、「ゴミ収集日」のように寄せ集める意味もあります。
「回収」と「収集」の使い方の違い
集めることでも、特に一度配ったものや使ったものを集める場合には「回収」を使用します。
集めることでも、特に趣味や研究の目的で集めることには「収集」を使用します。
「切手収集」という使い方がされていますが、切手収集をしている人は、未使用切手だけでなく、使用済み切手も集めています。
そのため、「切手回収」としてもよさそうですが、切手収集は趣味で行うものなので「回収」ではなく「収集」をといいます。
使用済み切手を集めて、寄付をする活動があります。
この場合は趣味で集めているのではないので、「切手を回収する」といいます。
「回収」と「収集」の英語表記の違い
「回収」は英語で“collection”や“withdrawal”と表記をします。
「収集」は英語で“collecting”や“gathering”と表記をします。
「回収」の意味
「回収」とは、一度配布したもの使用したものを集めることです。
筆記試験を行った後には、解答用紙を集めます。
解答用紙は一度配られたもので、それを集めるので「回収」といいます。
団地など住宅が集まる場所では、要らなくなったものを集めている車がやってくることがあります。
この車は「廃品回収車」と呼ばれています。
使わなくなったテレビ、ラジカセ、バイクなどを集めており、これらは一度使用したもので、それを集めているので「回収」になります。
「回収」の使い方
単に集めることではなく、一度配ったものや使ったものを集めることに使用します。
販売された製品に欠陥などがあった場合、業者は「自主回収」することがあります。
「回収」という言葉が使われているのは、集めるものが一度お客さんのもとにわたっているため、一度使われたことがあるためです。
研究をしている人は、自然の動植物や昆虫を集めることがあります。
集めることですが、これは一度配ったものや使ったものではないので、「回収」とはいいません。
この場合は「採集」になります。
「回収」を使った例文
・『アンケート用紙を回収する』
・『商品を回収する』
・『ファールボールを回収する』
・『回収にご協力ください』
「回収」の類語
「集める」が類語です。
人や物をひとつのところにまとめるという意味があります。
「回収」の対義語
「配る」が対義語です。
それぞれに行き渡るようにするという意味があります。
「収集」の意味
「収集」とは、寄せ集めること、趣味や研究のために集めることです。
トレーディングカードとは、さまざまな絵柄や写真が印刷されている、観賞やゲームを目的としたカードです。
何十種類と種類があり、集めている人もいます。
集めているのは趣味のためで、このことは「収集」といえます。
ガチャガチャを集めている人もいることでしょう。
ガチャガチャには、フィギュア、キーホルダー、缶バッジ、トートバッグなど、さまざまな種類があります。
また、1つのガチャガチャにもいろいろな景品が用意されています。
集めているのは趣味のことが多く、「収集」といえます。
「収集」の使い方
趣味や研究のために集めていることに使用をします。
試験の答案用紙を集めました。
これは趣味でも研究でもないので、「収集」とはいいません。
研究のための資料を集めることには「収集」を使用します。
集めることでも、それが趣味や研究と関係ないことなら「収集」とはいわず、趣味や研究と関係あることなら「収集」になります。
「収集」を使った例文
・『鉱物を収集するのが趣味』
・『トレーディングカードを収集している』
・『昔は切手収集にはまっていました』
・『収集したものを置く場所に困っている』
「収集」の類語
「採集」「採取」が類語です。
「採集」には、自然の動植物や鉱物、資料などを調査のために集めることという意味があります。
「採取」とは、研究、調査、検査などのために見本としてとることです。
「収集」の対義語
ピッタリな対義語はありませんが、強いて言えば集めたものを手放す意味で「捨てる」になります。
まとめ
どちらの言葉にも集めるという意味がありますが、何を集めるのか意味が違います。