この記事では、「聡明」と「賢い」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「聡明」と「賢い」の違い
「聡明」には、物事の理解が早く賢いという意味があります。
「賢い」には、いくつもの意味がありますが、主なものは2つです。
1つめは、頭の働きがよいこと、思慮や分別が優れていることです。
もう一つは、抜け目がない、要領がよいことです。
「聡明」の意味と、「賢い」にある、頭の働きがよいことという意味は、ほぼ同じです。
違いは「聡明」には、物事の理解が早いという意味も含まれている点です。
また、「賢い」には抜け目がない、要領がよいという意味もありますが、この意味は「聡明」にはありません。
「聡明」と「賢い」の使い方の違い
頭の働きがよいことを指して、「賢い」という言葉が使われます。
「聡明」にも「賢い」という意味が含まれているため、ほぼ同じように使うことができます。
「聡明な少年」「賢い少年」のような使い方です。
「聡明」の方は、やや硬い言い方になります。
また、「賢い」は抜け目がないという意味もあり、「賢いやり方ではない」といった使われ方もします。
「聡明」にはこの意味はないため、「聡明」に置き換えて使うことはできません。
「聡明」と「賢い」の英語表記の違い
「聡明」は英語で“wisdom”と表現をします。
「賢い」は英語で“wise”や“clever”や“intelligent”と表現をします。
“clever”はずる賢いという意味で使われることもあります。
「聡明」の意味
「聡明」には、物事の意味や内容をのみ込むことが早くて賢いという意味があります。
単に賢いという意味ではなく、物事の理解が早いという意味が含まれています。
決断を迫られたときに判断をするためには、その物事を理解している必要があります。
たとえば契約の場合、AプランとBプランをどちらにするか判断を迫られたとき、Aプランとはどのようなものは、Bプランとはどのようなものか、理解していなければ判断できません。
よくわかっていないようだと、判断を誤ってしまう可能性があります。
「聡明」だといわれる人は、物事を素早くのみ込むことができるため、判断も早いです。
早いだけでなく、適切な判断であることが少なくありません。
「聡明」の使い方
物事の道理や道筋が正しくわかっている、物事の意味や内容を素早くのみ込む、そして知能に優れていることを指して使用します。
「聡明な○○さん」のように「聡明な」の形で使用されたり、「聡明さ」の形で使用されることが多いです。
「聡明」を使った例文
・『かわいいだけでなく聡明さも備えている』
・『その聡明さが注目される人物だ』
・『聡明で明るく、みんなの人気者』
・『その地位についてから聡明さを発揮してくれた』
「聡明」の類語
「賢明」「知的」が類語です。
「賢明」とは、賢くて手堅く、判断が適確であることです。
「知的」には、知識が豊かなさまという意味があります。
「聡明」の対義語
「愚昧」が対義語です。
考えが足りず道理に暗いという意味があります。
「賢い」の意味
「賢い」には複数の意味がありますが、主なものは2つです。
1つめは、頭の回転がよくて知能が優れていることです。
「知能」には、物事を理解したり判断する力という意味があります。
つまり「賢い」は、物事を理解したり、判断したりする力が、他よりも勝っているということができます。
ラブラドールレトリバーは、「賢い」といわれている犬種です。
人の言うことを判断して、適確に行動をしてくれます。
このような特徴があるため、盲導犬や災害救助犬などとして活躍しています。
「賢い」のもう一つの意味は、抜け目がない、要領がいいことです。
「抜け目がない」には、注意深くて抜けたところがない、自分の利益になると思う機会を逃さず、うまく利用するという意味があります。
「要領」とは、物事の大切なところをつかんだ、うまいやり方という意味です。
手抜かりがないといったような意味で、悪い意味を含んでいるわけではありません。
「賢い」の使い方
頭の働きが鋭い意味で、「賢い犬だ」のような使い方をします。
物事を理解したり、判断したりする力が優れている意味で使用します。
抜け目がない意味では、「賢いやり方ではない」のような使い方をします。
「賢い」を使った例文
・『本当に賢い猫だなと思った』
・『賢くやりくりをする』
・『賢い選手が集まっているチーム』
・『賢い主人公が活躍する物語』
「賢い」の類語
「さとい」が類語です。
理解や判断が的を射ていて、間違いがなく早いという意味があります。
「賢い」の対義語
「愚鈍」が対義語です。
頭の働きが鈍いという意味があります。
まとめ
2つの言葉は、頭の回転がよいという似たような意味を持っていますが、「賢い」には抜け目がないという意味もあり、この点が大きく違います。