忘年会の幹事を任されるのは、ある意味では名誉なことですが、実際には店を探す、予約する、場を盛り上げる、支払いをする、会費を徴収するなど、やるべきことが多く、大変です。
ここでは「徴収」という言葉を使用したのですが、「徴集」では間違いなのでしょうか。
他にも「集金」という言葉ではだめなのでしょうか。
それを判断するためには3つの意味を知る必要があります。
この記事では、「徴収」と「徴集」と「集金」の違いを分かりやすく説明していきます。
「徴収」とは?
「徴収」とは、人から「金銭などを取り立てる」ことです。
「徴」自体に「取り立てる」という意味があるので、ポイントは「収」で、これは「収める」ということで、懐に収めるとか国庫に収めるという意味合いが強くなります。
つまり、「徴収」をより詳しく言うと「金銭などを取り立てて何かに収める」となります。
「源泉徴収」や「税金の徴収」に使われることが多いので、税金を集めるイメージが付きまといます。
「徴集」とは?
「徴集」の「徴」は前述のように「取り立てる」ことで、「集」は、文字通り「集める」と言うことです。
つまり「徴集」は、「金銭などを取り立てて集める」となります。
すなわち、「集める」方にポイントがあるということです。
また、金銭以外に、物や人を集める場合にも使います。
「集金」とは?
「集金」とは、文字通り「金銭を集める」ことです。
この言葉は単純にお金を集めるという行為を表現する言葉なので、一般的には他のニュアンスが入りこむことはありません。
「徴収」と「徴集」と「集金」の違い
この3つの言葉は、ともに「金銭などを集める」と言う意味ですが、違いは集めるものと集め方にあります。
集めるものに関しては、「集金」は金銭にしか使用しませんが、「徴集」は金銭にも物にも人物にも使えます。
「徴収」に関しては、金銭であるケースが圧倒的に多いのですが、それ以外の物や人物にも使用可能です。
集め方に関しては、「徴収」が一人からも複数からも集めてどこかに収めると言う意味合いが強いのに対して、「徴集」は、主に複数の人から集めます。
「集金」はどちらのケースでも使えます。
まとめ
この記事では、「徴収」と「徴集」と「集金」の違いを説明してきましたが、この3つは、使用するべきシチュエーションが暗黙のうちに決められているとも言えます。
例えば忘年会の幹事として会費を集める場合には、意味だけで考えれば「会費を徴収します」でも「会費を徴集します」でも、「会費を集金します」でも構いません。
しかし、相手が目上の方、特にかなり年長の場合には気をつけなければなりません。
税金などに使用される「徴収」や、軍隊への参加に使用される「徴集」は、冗談めかしても良い気分ではない人が多いからです。
その点「集金」は当たりも柔らかく、安全でしょう。
このように、ちょっとした言葉選びがコミュニケーションの円滑化に役立つのです。