近所を少し散歩してみると、「池」のようなものを発見することがあります。
大きいものも小さいものもありますが、そのほとんどは、自然にできたものではなく、何かの理由があって造られたものです。
このような池は「貯水池」、「用水池」、「溜池」等と呼ばれます。
これらはどういう意味でしょうか。
また、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「貯水池」と「用水池」と「溜池」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貯水池」とは?
「貯水池」とは、文字通り「水を貯えておくための池」です。
この池は、近くの河川の水が増えたらを池に引いて貯えておき、河川の水量が減ったら水を逆流させて戻すためのもので、河川の水量をコントロールするのが目的です。
英語では「reservoir」がジャストな単語です。
この単語はフランス語由来で「レザボア」あるいは「リザーバー」と読みます。
この単語は、クエンティン・タランティーノ監督の名作映画「レザボア・ドッグス」で有名になりました。
「用水池」とは?
「用水池」とは、通常は、「農業用などの水を貯めておくための池」です。
略さないで記述するなら「農業用水池」です。
農業で使用される水は、季節や降雨量にかかわらず、一定の量が必要になるので、必要になったときにすぐに供給できるような施設として造られます。
英語ではやはり「reservoir」です。
「溜池」とは?
「溜池」とは、「用水池」と同じように、「農業用などの水を溜めておくための池」のことです。
「用水池」が「農業用水」であることを主張しているのに比べて、「溜池」は、この池が、「水が溜められた状態」の場所であることを主張します。
英語ではやはり「reservoir」あるいは単純に、「pond」です。
「貯水池」と「用水池」と「溜池」の違い
これらの3つの言葉は、どれも自然の池ではなく「人工池」であることは、同じですが、その用途や成り立ちによって区別されています。
「貯水池」の目的は「近くの河川の水量をコントロールする」こと、「用水池」と「溜池」の目的は、「農耕で使用する水を貯えておく」ことです。
「用水池」と「溜池」の違いは、その池の成り立ちのどの局面をポイントにするかの違いで、「用水池」は、「農業のための設備」であることがポイントで、「溜池」は目的よりは「多くの水が溜まっている」状態にポイントがあります。
さらに発音の違いもあります。
「用水池」と「溜池」が「いけ」であるのに対して、「貯水池」だけは、「ち」です。
まとめ
この記事では、「貯水池」と「用水池」と「溜池」の違いを説明してきました。
日本では、いたる所にある「人口の池」ですが、その成り立ちによって異なる名称で呼ばれることは明確になりました。
昔から、農業では稲作が中心になっていることや、河川の氾濫が、人々の生活に大きな影響を与えていた日本で、このような言葉が発達してくるのは当然のことでしょう。
他にもこの類の言葉は沢山あるので、この機会に調べてみるのも良いでしょう。