愛着関係と信頼関係はよく似ていますが、意味や使われ方には違いがあります。
愛着関係と信頼関係の違いについて紹介します。
愛着関係とは?
愛着関係とは、人や動物との間で築く情緒的な結びつきのことをいいます。
心理学においては、乳幼児と養育者の間で形成される絆のことを愛着関係と言っています。
愛着関係の形成は子どもの成長に重要な役割を果たしており、大人になってからの人間関係にも影響します。
愛着関係の概念を生み出したのは、イギリスのジョン・ボウルビィという精神科医です。
愛着関係を築くのに、何か特別なことをしなければいけないというわけではありません。
お母さんやお父さんが微笑みかけたり、抱っこしながらミルクをあげたりすると赤ちゃんは安心感や幸福感を感じます。
そういったことを毎日積み重ねることで、赤ちゃんは自分が愛されていることを実感して愛着関係が築かれるのです。
肌が触れ合うスキンシップによって、より深い絆が生まれやすくなります。
母親がその役割を担うことが多いですが、必ずしも母親でなければいけないというわけではなく主に養育している人がその役割を担います。
しかし、最近では虐待や育児放棄などが社会問題化しているように、愛着関係を形成できないまま成長してしまうことも多くあります。
幼少期に特定の人と愛着関係が築けなかった場合、大人になってからも周囲の人と人間関係を構築するのが苦手になってしまいます。
自分に自信が持てずに自傷行為に走ったり、非行などのトラブルを起こしやすくなります。
信頼関係とは?
信頼関係とは、お互いがお互いを信じて頼り合う関係性のことをいいます。
夫婦や恋人などパートナーとの関係性を表す時にも使われますし、上司や同僚など会社の人間関係を表す時にも使われます。
友人や趣味仲間、先生と生徒などあらゆる関係の絆を表す言葉です。
また、日本とアメリカには深い信頼関係があるなど、国同士の関係を表したりもします。
愛着関係と信頼関係の違い
信頼関係はお互いに信じて頼り合う関係性のことをいいますが、親と子、先生と生徒、上司と部下、先輩と後輩などあらゆる人間関係に用いられます。
会社と会社、国と国など人間以外の関係性においても使われます。
それに対して愛着関係は、親と子の間で深い絆が築かれていることをいうことが多いです。
親子の関係の中でも、子どもが小学校に入学する前の幼少期の関係性を愛着関係と言っています。
愛着関係は信頼関係の土台となるもので、幼少期に愛着関係を形成することができないと成長してからも他者と信頼関係を築くことが難しくなってしまいます。
子どもが養育者に対して特別な信頼関係を結ぶことが愛着関係を形成したことになるのです。
まとめ
愛着関係は、幼少期の子どもと養育者の間で築かれる情緒的な深い結びつきのことを言うことが多いです。
信頼関係は、親子に限らずあらゆる関係において信じて頼り合う関係のことをいいます。