この記事では、「目安」と「基準」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「目安」と「基準」の違い
「目安」とは、だいたいの目印のことです。
「基準」とは、物事を成り立たせるおおもとになるもの、満たさなければならない事柄です。
「価格の目安」「基準価格」など、似たような使われ方をするので、同じことを指しているように感じますが、それぞれの言葉が意味することは違います。
「目安」は、おおよそです。
たとえば、今度のテストでは60点とることを「目安」にしたとします。
この60点はだいたいの数値で、60点を満たす必要はなく、それに近い値をとるという意味になります。
55点でも、59点でもいいのです。
「基準」は満たさなければならない条件です。
ある高校の入学テストに合格する「基準」が60点だったとします。
この場合、60点は絶対にとらないといけません。
60点という数値は、高校に入るにふさわしいかを判断する材料になります。
「基準」は、判断・評価するもととなる条件を意味しています。
「目安」と「基準」の使い方の違い
だいたいの目印について「目安」を使用します。
設定した目安に達していなくても使うことができます。
それに近づくようにすることを指す言葉です。
物事を成り立たせるおおもととなる部分、満たさなければならない条件について「基準」を使用します。
「目安」と「基準」の英語表記の違い
「目安」は英語で“aim”や“standard”と表現をします。
「基準」は英語で“standard”や“criterion”や“basis”と表現をします。
「目安」の意味
「目安」とは、だいたいの目印、目標とするものです。
鶏むね肉をフライパンで焼くときのことで考えてみます。
フライパンに油を敷いて熱し、鶏むね肉を置いて焼きます。
焼き時間は片面でだいたい3分です。
だいたい3分経って焼き色がついたらひっくり返し、さらに3分ほど焼きます。
3分が「目安」となるあたいです。
きっちり3分でなくてもよく、2分30秒でも、3分10秒でも構いません。
その値に近づくようにすることを意味します。
今度は筋トレのことで考えてみます。
筋肉を強化するためには負荷をかける必要があり、同じ動作を数回行って負荷をかけていきます。
だいたい1セットが10回で、これを3セット行います。
スクワットの場合だと、肩幅に足を開き、腰をゆっくりと落とし、その姿勢から今度はゆっくりと元の姿勢に戻ることを、だいたい10回繰り返し1セットとします。
きっちり10回でなくてもよく、8回できついと思えば8回でもよく、10回できるなら10回でもよいです。
なるべく10回に近い回数を行いましょうということを意味しています。
10回という数値は、だいたいの目標です。
このだいたいの目標をいいます。
「目安」の使い方
それに近づけようとする、だいたいの目印・目標について使用をします。
たとえば、テストで60点とることを「目安」にした場合、60点に近い値をとるようにすることをいいます。
きっちり60点でなくてもよく、59点などでもよいです。
絶対にそうしないといけない目印・目標ではありません。
「目安」を使った例文
・『片面5分焼くことが目安です』
・『30秒ほどストレッチすることが目安です』
・『15分を目安に入浴してください』
・『洗顔のすすぎに使うお湯の温度は34度が目安です』
「目安」の類語
「目標」「目途」が類語です。
「目標」はそこに到達しようとする目印、「目途」は到達しようと目指すところです。
「目安」の対義語
ありません。
「基準」の意味
「基準」とは、物事を成り立たせるおおもとの部分、判断するときの材料になるもの、満たさなければならない条件です。
ある食材宅配業者は、低糖質・低塩分の弁当を提供しています。
では、低糖質・低塩分とは、糖質量がどれくらい、塩分量がどれくらいのことをいうのでしょうか。
この宅配業者では、糖質30g以下を低糖質、塩分2. 5g以下を低塩分としています。
糖質30g、塩分2. 5g以下という数値が「基準」です。
この数値は満たしていないといけないものです。
この数値を満たしていないと、低糖質・低塩分ということはできません。
つまり、低糖質・低塩分な弁当を成り立たせることができないのです。
高血圧の例で考えてみます。
高血圧とは、血圧が常に高くなっている状態をいいます。
高いが示す数値は明確になっており、140/90mmHg以上を高血圧としています。
140/90mmHgの数値が「基準」です。
この数値を満たすことで、高血圧という症状が成り立ちます。
また、この数値は高血圧であるかを判断する材料になります。
あいまいなものではなく、はっきりと示されるものを指す言葉で、高血圧の例だとはっきりと140/90mmHg以上と示されています。
たいだい140ぐらいではないのです。
「基準」の使い方
満たさなければならない条件、判断するときの材料となるものを指して使用をします。
だいたいこれくらいだろうという大まかなものではなく、はっきりと示すことができるものをいいます。
高血圧の例だと、高血圧かを判断する数値がはっきりと決められています。
この数値のことを指して使用をします。
判断の材料となるものは、場所や時などによって変わることはありません。
高血圧の場合だと、今日は上が130以上を高血圧にしよう、明日は上が150以上を高血圧にしようなどとはしないのです。
「基準」を使った例文
・『基準値を下回る』
・『厳しい基準をクリアする』
・『はっきりした基準が示されていなかったことが問題だ』
・『基準を満たしたものだけを使用しています』
「基準」の類語
「尺度」「物差し」が類語です。
人、場所、時などによって変わる、判断の材料となるもの、満たさなければならない条件のことをいいます。
「基準」の対義語
ありません。
まとめ
似たような意味を持つ2つの言葉ですが、一方はだいたいの目印となるもの、もう一方ははっきりと示すことができる目印となるもので、意味合いが違います。